2、自称生物曰く

 私の身体は見た目上、シリコンの塊である。見た目は正二十面体、されどサイコロの様に転がる訳ではなく(そんな事したら壊れる。私は精密機械だし。)、ただそこにとどまるだけである。動けない。

 シリコン、つまりケイ素の塊である。私はそう言ったが、中身は違う。中身は移植された人の脳。つまり、この状態で意識があるのである。だけれども(残念ながら)私は人の心を持つスーパーコンピュータでは無いし、バイクに乗る手足もない。この後、何らかの組織で有休をせびる事も無いだろう。(非ッ常に残念だが。)だから、私はやっぱり退屈している。私がこの体にされるに当たって得た(ろくでもない)能力(と言うには微妙か。機能かな?)は、一度認識したことを忘れない事である。全くろくでもない。私は生前、いや今も生きてはいるが(もし今の状態を「生きている」と定義するなら)病弱だったせいで、頭に記録されているのは、ほぼほぼ病院だけである。つまらない。私の脳は無線で外のカメラに繋がっていて、なんらかの景色を見れるはずなのに、誰もそうしてくれない。悲しいかな、自分でそうしてくれと言う事も出来ない。外行きたいけど足は無い。転がったら内部が壊れる。全く技術者バカは何を考えて私を作り変えたのか、腹がたつ。早く人間に戻りたい。

 せめて何かこの頭の中に情報を入れてくれればいいものの、無理だと理解しつつも、私は何も行動を起こせない。私にの記憶がある前は、(少なくとも私の病気が治せないくらいには)脆弱な科学力だったと言うのに、いつの間に。

 まあ、そんなことは考えないで私は生きていく(?)つもりである。

 わたしは大方わかっているけどね。

 よろしくお願いします。





 人工知能に自分を人間と思わせる…これは使えるな。彼らに自分の正体を気付かれないようにしないと…。これが利用できれば、人類はまだ当分、安泰だな…。今後の課題は学習能力の調整か。頑張ろう。

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