すれ違う二人。ー8ー


夜になると、私は陸斗くんとイタリアンレストランで会う事にした。


「この店、久しぶり。高校時代によく行ったよね」

「ああ。卒業式の後、創作研究部の皆で行ったのもここだったな」

「陸斗くん、話って? 」

「あ、ああ。Twitterで見たと思うけど……あれは誤解だって話。あの人、酔うとスキンシップ激しくなる人でさ。俺以外にも全然あんな事するから」

「わ、私は気にしてないから! 全然! 心配しないで。陸斗くんは浮気しないもんね」

「それだけ? 」

「えっ? 」

「本当に心配しなかったのか? 」

「だって私達は長い付き合いだし! 信じてるよ、ちゃんと」


本当は不安で仕方なかった。けど、陸斗くんを安心させたかった。


「本当は俺に彼女ができたって気にならないんじゃないか? 蜜葉は」

「えっ……」

「俺は蜜葉が分かんない」

「わ、私は……」

「蜜葉はいつもそうだ。俺は蜜葉とちゃんと向き合ってる! 何でも話してる。 だけど、蜜葉は俺に隠してる事あるだろ? 」

「えっ……」

「気持ちが冷めたならはっきり言えよ」

「ち、違うよ! 陸斗くん! 冷めてなんか……」

「この前、俺が蜜葉んち行った日だっておかしかった。聞いたよ。昴と会ってたんだな」

「そ、それは……」

「しかも、あいつとキスしたんだろ? 何で言わなかったんだ? 」

「陸斗くん……」

「俺は蜜葉を信じたくても信じられないよ」

「ごめんなさい……」

「ひどいよ、蜜葉」

「陸斗くん、待っ……」

「悪いけど、一人にして。今日は先に帰る。今はどうしたら良いか分からない」


陸斗くん……。一人にされた私は涙を流す。


全部、私が悪い。たくさんたくさん陸斗くんを傷付けた。


陸斗くんは私を本当に嫌になるかもしれない……。


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