すれ違う二人。ー5ー

「それでさ、蜜葉。話があるんだけど」

「ん? どうしたの? 陸斗くん」

「お、俺も蜜葉と同棲したいと思ってる」


えっ……?


「同棲……? 」

「俺、最近は仕事で忙しいし、会える時間少ないの悪いなって。同棲したらたくさん二人の時間も持てる」


だめだよ。本当は一緒に暮らしたいけど、昴くんの言う通り、付き合ってるのがバレて騒ぎになったら……。


陸斗くんは宮森さんみたく、叩かれたり、ファンが一気に減ったりする。きっと、たくさん傷つく事になる。


「ごめん。同棲はできない……」

「えっ? 」

「ごめんね」

「どうしてだよ? 蜜葉」

「たまにしか会わないくらいのがちょうど良いって聞くし。一緒に暮らすのは結婚する時までお預けで良いんじゃないかな」

「蜜葉……」

「それに宮森さんみたく撮られて騒ぎになったら大変でしょ? 」

「俺は気にしない……」

「ごめんね。今はこのままでいよ? 私もなるべく会えるよう努力するから」

「そうか……」


陸斗くんは今、大事な時期なんだもん。この関係を隠す事をまずは優先しなきゃ。


本当は一緒に暮らしたいけど、できないよ……。


「そうだ、陸斗くん! 今日は何食べたい? 」

「カレーかな」

「了解! そうだ、今日は泊まってくの? 」

「いや、食べたら帰るよ」

「えっ? 」

「帰ってやりたい事あるし」

「そっか……」


一緒にいるのになんか、ぎくしゃくしてしまっている。


同棲断った事とキスを拒んだ事が原因だよね、きっと。私は陸斗くんを傷つけてる。


高校時代と変わらない私。何でこんなに不器用なんだろう。


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