すれ違う二人。ー3ー

「はぁ、対決しても勝負にならなくてつまんねぇから別のとこ行くか」

「べ、別のとこ? 」

「そ。楽しい所」


だ、大丈夫かな? でも、スマホ取り上げられたから誰にも助けを求められない。


どうしよう! 昴くんが陸斗くんの秘密を拡散したら大変な事になるだろうし。


「く、クラブ? 」

「そ。俺の行きつけ」


昴くんが連れて来たのはクラブ。中は若者であふれていて激しい音楽とネオンのライトで眩しく感じる。


「マスター、いつものやつ」

「了解。可愛い子連れてるなぁ、昴」


昴くんと私はバーカウンターへ。


私とは別世界で生きてる方々ばかりだよ、クラブにいる人達。


「緊張しすぎだろ、蜜葉」

「あ、あの! やっぱり私、帰……」

「陸斗の人気ってすごいよな。こないだなんかテレビでも特集されてたし。写真集だって俳優並みに売れたとか。そんな陸斗に熱愛が発覚したらどうなるんだろうね? 」

「えっ……」

「声優といえども、今や陸斗はアイドルに近い存在だからな。蜜葉との事がバレたらどうなるかな? 」

「っ……」

「俺、二人の写真あるし、いつだって拡散できるから。それ以外にもたくさん陸斗を潰せるネタを持ってる」

「わ、分かった。帰らない……」

「よし。マスター、蜜葉にも同じの」


私が陸斗くんを守らなきゃ。昴くんなんかに絶対潰させない!


「ほら、蜜葉。一緒に踊ろうぜ? 」

「ちょ、ちょっと! 」

「せっかくクラブに来たんだからよ」


昴くんにかなり振り回されてる気がする。陸斗くんの親戚とは思えないくらい性格が違う。自由奔放すぎる!


「あはは。蜜葉のダンス、くそだせぇ」

「し、仕方ないよ! ダンスとか未経験だから」


ダンス、出来なすぎる。


「なるほどな。お前は他の女とは違うな、蜜葉」

「へ? 」

「見てて面白い」

「お、面白い!? 」

「陸斗なんかさっさとやめちまえよ」

「だから、私は昴くんは好きになりません! 」

「頑固だな。ま、そういう奴のが燃えるけど」

「もう! 」

「そろそろ解放してやるよ。疲れちまった」

「えっ? 」

「良い暇つぶしにはなった」

「あの、陸斗くんの秘密って……」

「蜜葉には教えねぇよ。まあ、今は拡散しないでおいてやる。帰ろうぜ」

「う、うん! 」


そんなに夜遅くまで拘束されなくて良かった。けど、どうして昴くんは……。


「はい、スマホ返すわ。俺のLINE入れといたから」

「い、いつの間に!? 」

「また気が向いたら連絡するわ。蜜葉は俺には逆らえないんだから。それは忘れるなよ? 」

「ま、まだ脅迫する気? 」

「だって、俺は陸斗の大事な物が欲しいんだもん。だから、俺はこれから蜜葉を陸斗から奪いに行く」

「性格悪いよ、昴くん……」

「どうとでも言え。今日は久しぶりに楽しめた。他の女といる時よりもずっと、な」


また脅迫されるんだろうな、この調子で行くと。


「私は絶対に絶対に昴くんを好きにならないからね」

「ガード固いな。でも、俺……結構本気だよ? 」

「昴く……っ!? 」


昴くんは突然私の唇を奪った。


「な、何するの!? 」


私は昴くんを突き飛ばした。


「か、帰る! 」

「蜜葉! 」


嫌だ、どうして? 昴くんはどうして私や陸斗くんにひどい事をするの!?


私は唇を拭いながら、家へ向かった。


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