すれ違う二人。ー2ー

「やった! 太鼓でも俺の勝ちだな」

「かんたんモードでやったのになぁ、私」


ゲームセンターに入ると、私達は太鼓のゲームで対決した。だけど、リズム感もない私は惨敗した。


「蜜葉ってリズム感もゼロなんだな。運動神経も悪いし! 」

「し、仕方ないでしょ。 人には得手不得手があるんだから。昴くんは何でも出来るから分からないんだよ」

「蜜葉は出来なさすぎだろ。陸斗も何でこんな大した事ないの選ぶかね? 」

「た、確かに私は陸斗くんに比べたら出来る事は少ないよ! でも、陸斗くんはそんな私を受け入れてくれてる。昴くんと陸斗くんは考え方が違うんだよ」

「は? 」

「陸斗くんは決して人を見下したりしない」

「何で陸斗、なんだよ? 俺のがルックスも実力もあいつより上だ。声優業以外に役者やモデルだってやってる。金もある。バカなんじゃねぇの? 俺よりあいつ選ぶとか」

「昴くんは本気で恋愛した事無いから分からないんじゃないかな。きっと、その内分かるよ」

「バカにしやがって」

「昴くん……」

「俺のが良いって絶対分からせてやる」

「わ、私は絶対絶対昴くんを好きにならない! 」

「そう言ってられるのも今の内だ」


どうして昴くんはそこまでムキになるんだろう?


「シューティングゲーム? 」

「おうよ。これなら難しくないしな」

「本当、対決が好きなんだね」

「負かした後の悔しい顔を見るのが堪らなく快感だからよ」

「ド、ドSすぎるよ」


ん? いきなり私のスマホから通知音が。


『今日会いたい。蜜葉、今どこ? 』


陸斗くんからのLINEだった。


「陸斗から? 」

「ちょ、ちょっと! 」


昴くんは私からスマホを取り上げる。


「俺の気が済むまで付き合うって話だからな。スマホは帰る時まで預かっとく」

「す、昴くん! 」

「陸斗の秘密、ネットに拡散されても良いのか? 」

「わ、分かった」


会いたいのに会えない! 昴くん、ひどいよ!


「よし! じゃんじゃん倒せてんな。蜜葉、まだ倒せてねぇのかよ。よっわ」

「ぞ、ゾンビ怖いからさ」

「マジかよ。勝負になんねぇな! 」


なんか、暇つぶしに付き合わされてる感がハンパないんだけど。


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