第3話 すれ違う二人。

すれ違う二人。ー1ー

「ボウリング? 」

「そ。ちょっと付き合え! 1ゲームで良いな」


ボウリングって小学生以来、やった事無いのだけど。


「ボールはこれだな」


受付を済ませ、靴に履き替えると、昴くんはボールを選ぶ。


「ねぇ、どうしてボウリングなの? 」

「ストレス発散的な? あと、俺は勝負事が好きだからな。俺に負けたら言う事聞け! 蜜葉」

「ちょっと! それは理不尽すぎるよ! 」

「良いじゃん。普通にやってもつまらないし」


なんか捻くれた桜小路くんって感じだな、昴くんは。


「よっしゃ。行くぜ」


昴くんはボールを投げる。


すると、ピンは全て倒れた。


「ぜ、全部倒れたよ!? 」

「俺、ボウリングは得意だから」

「なら、私が負けるの確実だよ! 」

「ほら、蜜葉の番」

「はい……」


綾ちゃんがいたら、昴くんに余裕で勝てるのにな。


「えいっ! 」


私はボールを投げる。


だけど、ガーターとなってしまった。


「マジかよ。へったくそ」

「し、仕方ないじゃん! 久しぶりなんだもん」

「ボール、重いんじゃね? あと、打つ時のフォームと勢いの問題だな。待ってて」


昴くんはボールを取りに行く。


「これなら軽い。女子向けってあるし。フォームは俺の真似して。まず、指の位置はここ」


お、教えてくれてる!?


「で、フォームはこう。ほら、勢いよく投げてみろ」

「う、うん! やってみる! 」


私は昴くんに言われた通りのフォームで再度ボールを投げる。


すると、3本だけ倒れた。


「や、やった! 倒れたよ! 昴くん! 」

「3本だけだけどな」

「それでも、嬉しいの! ありがとう、教えてくれて! 」

「ば、バカじゃん? 」


昴くんって何だかんだ良い人なのかな。でも、陸斗くんにはかなり意地悪なんだよね。


「結局、ストライク一回しか出せなかった」

「蜜葉は本当運動オンチだな」

「し、仕方ないじゃん! ずっと文化部だったし」

「俺の圧勝だな」

「うぅ……慣れてる人に勝てるわけないよ」

「まあ、圧勝すぎて萎えたから言う事は聞かなくて良いよ」

「へ? 」

「俺が好きなのはギリギリの対決だからな」

「は、はぁ……」

「次は、ゲーセンな」

「また対決!? 」

「うん。蜜葉、負かすの楽しいし」

「性格悪っ」


昴くんは話してみると普通の男の子だ。どうして陸斗くんにあんなにひどい事をするんだろう?






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます