陸斗と昴にある因縁。ー6ー

「みっちゃん、おはよう」

「おはよう、綾ちゃん」


翌日、大学へ。一限は綾ちゃんと同じ講義を受ける。


「はぁ、頭痛い」

「二日酔い? 」

「うん。あたし、昨日変な事言ってたわよね。はぁ。全然記憶無い」

「だ、大丈夫だよ! 」

「陸斗は? みっちゃんち泊まったってユイユイから聞いたわ」

「大丈夫じゃないかな。朝、見送りは出来なかったんだけど……二日酔いに効く薬は一応渡してあるから。綾ちゃんにもあげるね」

「ありがとう、みっちゃん」

「今日、合コン行ける? 」

「行くに決まってるわ!いつ素敵な人に出会えるか分からないのだから」

「綾ちゃんはアクティブだね」

「ごめんね、みっちゃん。駅前のパンケーキで有名なカフェ、今日は無理かな。明日なら一緒に行けるわ」

「大丈夫だよ! 頑張ってね、綾ちゃん」

「うん! みっちゃんは今日どうするの? 」

「まだ決めてないかな。図書館に資料集めに行くのも良いかも」

「あぁ、駅の近くの図書館蔵書数多いものね。あっ、そうそう! 朝のニュース見た? 」

「見てないや」

「みゃーちゃんが出てたの! 今話題の劇団特集で」

「えっ!? 」

「ミュージカルの主演ですって。見に行かなきゃね」

「うん。桜小路くん、すごいなぁ」


桜小路くんは大学に通いながら大きな劇団に入り、活躍している。優里香ちゃんは演劇をやめ、普通に大学生をしながら夢を探してる。演技上手いけど、役者になりたいわけではないらしい。桜小路くんとは交際が続いてる。


「ゆーちゃんも嬉しいでしょうね」

「うん! 陸斗くんにも教えなきゃ」


皆、夢に向かって頑張ってるんだなぁ。私ももっともっと頑張らないと。がんば陸斗しよ!


大学の授業が全て終わると、私は図書館に向かおうとしていた。


「蜜葉」


えっ!?


大学の門の前には昴くんが立っていた。


「昴くん!? 」

「待ってたんだぜ」

「な、何しに来たの? 」

「陸斗の大事な女がどれだけ魅力的か知りたくってよ。デートしよ? 」

「わ、私が一緒に行くわけないでしょ! 陸斗くんが大事だからそんな事出来ない」

「俺に付き合わないと、陸斗の秘密世間にバラすけど? 」

「えっ……」

「従兄弟だし、弱みなんていくらでも握れるんだわ。あ、昨日もう一個見つけた。陸斗には彼女がいる。昨日の居酒屋で写真撮ったし、いくらでも噂は流せる。人気声優になりつつある陸斗に悪い噂が流れたら大変だねぇ」

「そんな……」

「だから、蜜葉は俺に逆らえない。でしょ? 」

「わ、分かった。どうすれば良いの? 」

「怯えなくても大丈夫。俺、いきなり取って食ったりするの好きじゃないから。それじゃあゲームはつまらない。ほら、乗って」


いかにも高そうな黒塗りの車!


「な、何かしたら警察呼ぶから」

「大丈夫だよ。まあ、今日で分かるんじゃない? 陸斗より俺のが良いって」

「わ、私は昴くんを好きになんかならない! 」

「あはは。良いねぇ。その強い瞳。ますます欲しくなる」


何かあれば綾ちゃんに連絡しよう。大丈夫。陸斗くんを守る為だ。


私は昴くんと戦う気持ちで車に乗り込んだ。大丈夫。私はもう弱虫な蜜葉じゃない。陸斗くんの為なら何だって出来る。


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