痛いな。

痛いな。痛いですね。切ないな。切ない。けれども伝わる。とても伝わる。
心が叫ぶ。軋んで、ぎりぎりと音をたてて軋んで。そして、ふんわりと止まる。
美しいバラの花を棘ごと摘むように、これらの『ことのは』は読む者の心の底を抉る。
きっとたぶん。こういう気持ちは誰の中にもある。それが浮上してしまったとしたら心が壊れてしまいそうで、目を背けているだけで誰の心にもある。
美しいものは棘を持っている。優しいものの奥には毒が隠れている。
心から血を流しながら微笑みながら真剣に嘘をつくように、この恋心はとても真っすぐで残酷で魅力的だ。
痛いな。けれどもとても美しい。透明でとても美しい。これらの詩に曲がついたらどんな歌となるのだろう。聴いてみたいと思う。

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