第166話 構成要素
けものプラズム
フレンズの身体を構成する物質の一つ。
フレンズがフレンズとしての形を保てているのがこの物質のお陰らしい。
フレンズの身体は見た目通りヒトと同じ構造を持っており、その機能はヒトと変わらない。
ちなみにフレンズのケモミミや尻尾は……
飾りだそうだ。
私も驚いたがそれ以上にオオウミガラスやクーちゃんが驚いたようで、手からスプーンが滑り落ちていた。
………そこまでショックなのだろうか?
他のフレンズ達ならいざ知らず、オオウミガラスとクーちゃんについてはほぼ飾りみたいなものだと思うのだが……
しかし、飾りと言われても触れば暖かいし、しっかりと触覚もあるので身体の一部だと思うのだが違うのだろうか。
身体の一部と言うのも半分正解らしい。
フレンズのケモミミや尻尾は体外に出たけものプラズムによって形成されたものらしく、骨格的な繋がりはない。
だが、触覚や痛覚はしっかりとあるようだ。
ちなみにフレンズの服もけものプラズムで構成されており、損傷したりしても生えてくるらしい。
文字通りの意味で。
けものプラズムは見た目だけでなく、身体能力にも影響を与えており、サンドスターを消費してケモノの力を発揮できる。
クーちゃんが空を飛んだり、オオウミガラスが素早く泳げるのもけものプラズムのおかげと言う訳だ。
では、本題に入ろう。
何故、イヌガミギョウブは他の姿に変身を出来るのだろうか?
簡単に言えば、イヌガミギョウブは身体を構成するけものプラズムを操作する事によって身体の形を変えているようだ。
ただし、変身は輪ゴムの両端を持って引き伸ばすようなものらしく、何かの拍子ですぐに元の姿に戻ってしまうとのこと。
なるほど、原理を聞くとファンタジー感が薄まって、科学的なものに聞こえるような気がした。
ケモノからフレンズになるのに大幅に姿を変えるのを目の当たりにした私としては何と無く理解できる。
それをフレンズが意図的に手を加えることが出来るのは驚きだが……
しかし、その理屈だとイヌガミギョウブだけでなくオオウミガラスも出来るのではないだろうか?
出来ないそうだ。
これは元動物の資質が大きく作用しているようで、どんなに頑張っても出来ないフレンズは出来ないらしい。
だが、ケモミミと尻尾を消してヒトのフリをするくらいならば、訓練すればどのフレンズにも出来るようだ。
コツは自分がヒトであると思い込むこと。
試しにオオウミガラスがイヌガミギョウブから手解きを受けたが、頭の羽と尻尾は消えることはなかった。
ヒトと接する機会が殆んどない今世代のフレンズには難しいのかもしれない。
ヒトと言えば……
ヒトになりたがっていた奇妙なフレンズであるアカギツネはどうしているだろうか?
異変が解決した翌日にヒトになってやるんだからと飛び出したきり姿を見ていない。
祝勝会の時も居なかった。
その辺でくたばるようなフレンズでは無いのは分かっているが、あのイベントにも居なかったのは少々気になる。
何処で何をしているのだろうか?
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