第39話 また会うその日まで

 その車両は司書とオオウミガラスの間に入っており、目の前の人物がすり代わった事に気が付いたオオウミガラスは驚いて悲鳴を上げた。


 いつの間にか私達に紛れていたフレンズは、まるでイタズラに成功したかのような笑みを浮かべて、キッキッキッと特徴的な笑い声を上げる。


 頭に大きなけも耳、羽のようなマントを装備しているのが特徴のフレンズ。

 見た目だけならお化け屋敷の中に居ても違和感はない。


 彼女はナミチスイコウモリ。


 どうやら、お化け屋敷に住み着いてるイタズラ好きのフレンズのようだ。

 ただ、彼女はお化け屋敷の雰囲気が気に入ったから住み着いてるだけで、司書のように建物の管理をしている訳ではないらしい。


 コウモリと言えばかの有名な怪物のモデルの一つとして有名である。

 是非ともトマトジュースを差し入れてみたい。

 きっと似合うだろう。


 そう言えば


 そう頭に付け加えてナミチスイコウモリは司書に話し掛ける。

 昨日、サンドスターが降り注いだ時に生まれた新しいフレンズが、自分が何の動物か分からず困っていたので、ナミチスイコウモリが図書館へ行くことを勧めたらしい。

 確かに図書館へ行けば図鑑等を見て何の動物か調べることが出来るが、文字を読めるフレンズが司書くらいしかいないので、司書が居なければ結局何の動物か分からず仕舞いになってしまうだろう。


 新しく生まれたフレンズと言えば、草原で鳥のフレンズが生まれた瞬間を見たが、彼女はどうしているのだろうか?

 もしかしたら既に司書が対応しているのかもしれない。


 図書館に来客の予定が出来たことで、司書は早めに探索を切り上げて図書館へ帰ることになったためここで解散となった。


 司書が図書館へ帰るのに対してセグロジャッカルは新たな怪しそうな場所を探しに旅へ出るそうだ。


 私もバスを探しにそろそろ旅支度を整えなければならない。


 お互い、旅の目的もバラバラだがいつかまた必ず何処かで出会う。

 そんな気がするのだ。


 私とオオウミガラスは司書とセグロジャッカルに別れを告げて遊園地を後にした。


 今回はかつてのジャパリパークの様子を確認出来たので、少なくとも正常に機能していた時期があったことを知ることが出来た。


 次の目的地は穏やかな環境の場所にしようと考えていたが、次回は厳しい環境の場所を選択してみようと思う。


 辛いことは先に済ませてしまいたいと言うのもあるが、厳しい環境の地方にも人の施設が存在しているためどの道一度は行かなければならない。

 そこへ向かうならどうするか?

 私なら乗り物を使用する。


 つまり、穏やかな環境よりも厳しい環境にある施設の方がバス等の乗り物が存在している可能性が高い。


 そうなると候補地は2つか。


 今度の旅は前回の旅とは比べ物にならないくらい厳しいものになるだろう。

 念入りに準備を行ってからその場所へ向かいたいと思う。


 まずショッピングエリアで旅の準備を整えよう。

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