決闘②

「何だと?」



静まり返った決闘場。


俺に一番最初に反応したのは、煉だった。




「聞こえなかったのか?俺に不満がある奴、全部相手してやるって言ったんだよ」



理解出来ない――そんな反応をする煉。


その意味が分からないと言うのなら、それでも良い。




「……なあ、立会人。決闘の上限人数は?」


「えっ!?……え、えっと、確か上限は無いはずだけど……でもそんなの、『普通』じゃ――」




さっきからチラチラ見てくる彼女に、そう問いかけると答えが返ってきた。


……なら、全く問題ないな。


アタフタを繰り返している先輩は放置するとして。




「聞こえてるか、観客共――三分間待ってやる、『覚悟』の出来た奴だけ降りて来い」




ざわつく観客席。


さっきまでの威勢はどうしたっての。




「三分後……全員纏めて決闘だ――分かったな?」




最後にそう投げかけて、俺は決闘場を出た。



―――――――――――



外に出ればほんの少し冷静になれるか――そう思ったが、無駄。

いいや、無駄ではないか。あのまま観客席を眺めていたら、あの席ごと破壊したくなってしまうだろうしな。



ただ……一向にイライラは収まらない。

奴らへの怒りが、ずっと俺を支配している。


ただその元は、俺の誇りの親への侮辱。

鎮めようとも思わない。



「もう時間か」



携帯を見れば、もう時間が立っていて。


俺は、扉を開けた。




「……へえ」



思っていたより、少ないか。


俺の目の前には、大体三十人ぐらいが立っている。


さっきまで三人だったのと比べると、かなり圧巻だ。それでもまだまだキャパがあるのを考えると……この決闘場のデカさが際立つな。




「テメエ、本気なのか?」



その大人数の中、中心に立っている煉が言う。


周りの生徒達も――同じような事を聞きたそうな様子だった。


そして立会人の彼女も、小走りで寄ってくる。



「て、転校生君、本当にこんな滅茶苦茶な決闘を――」


「――本気だよ、こっちはすげーイラついてんだ」



そう言うと、諦めた様な顔をする先輩。



「一応、決闘の申請、受付は完了したよ。……いいんだよね?」


「ああ」


「え、えっと……煉さん達、三十一名全員も準備完了しましたか?」



頷く全員。


見れば、杖のような物を構えている生徒達。


準備の出来ていない者もいるのか、構えておらずに居るものもいる。

とにかく数が多くて、どれがどれか分からないな。



まあ、関係ない。


全部まとめて――相手するだけだ。




「それでは両者――始め!!!」

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