少女再び

 建ち並ぶオフィスビルの一階には飲食店やカフェが入っている事が多い。

 中でも香りのよいコーヒーを出す事で知られているカフェは昼の時間を少し過ぎても休憩するサラリーマンで賑わっている。

 そのカフェの一面がガラス張りになった席に、髭面のむさい男が座っていた。

 男は何をするでもなく、湯気の立ち上ったカフェラテを前に、窓の外を行き交う人々を眺めている。

 普段から人の往来が多い通りだが、今日は少し様子がおかしい。

 慌てたように走る人の方向が皆同じだ。

 そのうちの一人がカフェの中に知人を見つけたのか、自動ドアが開くのも待たずに声を投げかける。

「おい! 自殺だってよ。ビルの上に人がいる!」

 声をかけられた方もマジか? と言いつつ席を立つ。

 慌ただしくなる店内で、髭の男は変わらず座っていたが、やがてのろのろと席を立ち、店を出ると人の流れに沿って歩き出した。

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