帰宅 美人母の利

 須藤少年と、姉の綾乃、母親の玲子で食卓を囲む。

 玲子は帰りが遅かったためか、まだ化粧も落としていない。少量のご飯を箸で摘み、左手を添えながら上品に小さく開けた口に運ぶ。

 イヤリングもネックレスもしたままで、普段外ではこういう食事姿なのだろうと想像できる。

 玲子はどちらかというと忙しい身のため、夕食時のコミュニケーションは大切にしている。いつもなら学校は? バイト先は? 勉強は? と会話を挟んでくるが、今日は仕事着のままで緊張感が抜けていないのか凛とした姿勢のまま黙って食事を続けている。

 綾乃も今日は疲れているのか黙ったままだ。

 こういう時は決まって少年が口を開く。

「なあ。母ちゃんなんでそんなに無駄に美人なんだ?」

「何言ってんの? この子」

「知らない」


「母親が美人でグラマラスでも、設定上なんのメリットもないと思うんだ。需要もなさそうだし」

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