翌日昼休み あなただけは愛して

「それで殴られたのか」

「いえ、カップを投げつけられました」

「当然だろ。お前の為に産まれてきたんじゃない」

「だって僕のシナリオも妹に直されたんですよ」

「確かに萌えの家族構成ならまず妹だがな。ありきたり過ぎるくらいだが、まだまだ妹人気に陰りはない」

「確かに姉じゃ萌え対象として興味持てないですね」

「そりゃ俺も同じだ。妹いるからな。昔から妹モノに興味持った事はない」

「そうなんですか?」

「定番みたいに言われてるが万人受けするものなんてないんだ。マイナーなネタでもコアな客層を狙って販売かければ商売として成立するんだよ。要は売り方だ」

「なるほど、その辺のリサーチが必要ですかね」

「よせよせ。お前さんは好きに作れ。まず自分が好きになれる物を作れ。『自分は理解できないけど多分人は好きな物』なんて作って、もし外していたら誰も好きじゃない物になっちまうぞ」

「うーん、そうかー」

「たとえ世界中の人間が駄作だって言っても、お前さんだけは作品を好きでなくちゃいけないんだ」

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