帰宅 妹?

「ただいまー」

 家に帰ると綾乃がソファーに深く腰掛けてテレビを見ている。

 テーブルの上にお茶とお菓子を並べ、下着の上にYシャツをだらしなく着ただけの恰好で足を組む姿は、大学の同級生が見ればその無防備な姿にドキッとする所だろう。

「ただいま」

 反応が無いのでもう一度言ってみる。

 綾乃はクッキーを食べながら面倒そうに振り返る。

「なに? おかえりって言ってほしいの?」

 と言って、またテレビに戻って笑いだした。


 少年は、その後ろ姿を眺めながら、

「姉ちゃんは、なんで姉ちゃんなんだ? ここはどうみたって妹の設定にするべきだ! よし、妹にしろ。姉ボツ!」

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