第132話 後悔 9
「木芽くん。事情を話して欲しいんだが」
「はい」
萌はぽつぽつと話し始めた。
「昨日の夜……と言うより今朝早くのことなんですけど、俺、また視えたんです。夢の中で予知夢を視て」
「……すまない。それはどう言う」
「俺にもよくわかりません。ただ視えたことは確かだったんです。岡山を殺したのは星弐だった……。
星弐はあいつを殺した後、自分も死ぬつもりだったみたいです。桂壱にはそれがわかったから。だから今回の件を引き起こしたと言うか…兄さんの身体を奪ったんだと思います」
「……そう、か」
瀬口はどっと、疲れた気がした。そのままどかりと萌の隣に腰を下ろす。
萌は表情の乏しい顔で瀬口を見つめていたけれど、その瞳が不安げに揺れていることに瀬口は気づいた。
「大丈夫。君の言うことだからね、信じているよ。信じてはいるんだがね……君が居れば警察なんて必要ないなぁと思うとね。あはは」
思わず渇いた笑いが漏れる。
「ああ。勘違いしないで欲しいけど、嫌味とかではないんだよ。ただもうひたすらに感嘆していてね。話を遮ってしまってすまない。それで?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます