本日は仏滅凶日!
第7話 本日は仏滅凶日! 1
***
--リーン…
澄んだ音を立てながら教室の床を転がって行く鈴を、
その表情はたかだかスマホのストラップが壊れた程度のことに対してはあまりにも真剣で相応しくないものだ。
「これ、大事なものなの?」
そんな萌の様子を見て、直るかなと言いながら同じクラスの澤野 唯子が鈴を拾って手渡してくれた。
が、萌は何の反応も返さない。
「お前、礼くらい言えよ。」
見かねた友人の京平が萌の肩をぱんっと叩いた。
けれど、ハッとした萌が口を開く前に、
「澤野さんごめん。こいつ重度の叔父コンでさ、大好きな叔父さんからのお土産が壊れて相当ショックみたい」
と、勝手に理由をつけて澤野に謝ってしまった。
「…へ、へえ。そうなんだ」
「澤野さん、ありがとう」
遅れて返したお礼の言葉に澤野は二ヘラと微妙な引きつった笑みを残して、じゃあねと去って行った。
「京平ナイス。澤野さんめっちゃ引いてたじゃん。これで萌と言う強力なライバルが減ったな! 澤野さんカワイイもんな〜」
横からリョウマまでもがちょっかいを入れてくる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます