復帰に向けて
診察と職場の様子
目の微量出血はあったもののそれは大したことが無いようでちょっと一安心。それより一段と代謝が進んでいるようで、まだ様子を見る価値があるという上川先生の判断で傷病期間の延長となりました。。
不思議と父の事が片付いてしまうと、豊田所長への恨みは無くなっていました。
本当はそれはそれは恨んでいたのです。
当時の日記には。。。
{たとえ自分の心が砕けても絶対に許さない。。}そんな風に書いていました。
しかし、何だかちっぽけな事のように感じ始めたのです。勿論、事業所としてはチッポケな事では無いでしょうけれど。。
私も、どんなにスッキリしてもあの方の下で働く気にはなれませんでした。。
それには理由があって、本当の会話を認めていないからです。
宮本さんが豊田さんと話し合って「謝らないとねと言ったらで彼も承諾している。」と聞きました。。
でも私はお断りした。
何を謝りたいのか?私には理解できません。あの時、話した内容を認めて、そんなつもりは無かったけれどごめんなさいと言ってくれるなら私も戻れますし、しこりも残らない。
でも、関本ちゃんの話では私が泣いて帰ったと友梨佳ちゃんが言っているその相手に嘘の言い訳をしていると聞いていますし、宮本さんにもまだ真実を話されていないようでした。
それで何を謝罪なのか?宮本さんに言ったのは、
「私は許す許さないの決定権を持っていません。真実は私と豊田さんの中にしかない。豊田さんが許してもらわなければならないのは私ではなく、ご自身の心でしかない。許されるに値するかどうか?決めるのは豊田さんの心です。もし私が同じ事業所へ戻るなら表敬的に謝罪を受けなければならないかもしれない。でも戻るつもりはありません。。」と。。。
私だって過去に褒められるような生き方をしていないのです。故意、過失に限らずたくさんの人を傷つけて生きてきています。その中には今はもう謝罪すら出来ない人も居る。探し出して謝るというのは、私のエゴになってしまうのです。そんな時、時間が経てば経つほどに心底謝りたいと思ったら、心から血を流すような思いをして、自分の心に許しを請うことになるのです。豊田さんにもいつかそんな日が来るのでしょう。。でも私にはもう関係の無い事なのです。
宮本さんは今後私がどのような形で仕事をさせるか悩んでいるようでした。現状では別の事業所しかないのでは?と答えておきました。。
ところが、その後、宮本さんはとんでもない事を考え出すのです。。
いつだったか宮本さんに電話すると息せき切って電話に出てきました。。
「ちょっと待って!もうちょっとだから。。」とゼーゼーしていて。。
どうも自転車を漕いでいたようです。。で、今もう一軒で終わるから三十分後にかけなおしますとの事。。で、待っていると。。
北尾さんの為にやりたかった訪問介護のセクションをエリアに作ろうと考えています。その為には今ある定期巡回を僕も体験しないといけない。。だから今、毎日自転車で周ってどこのどの利用者様に向いているのか頑張っていますと言うのです。。そこで私は言いました。。
「宮本さん。。私が復帰する時、目が元通りって事は非常に確率が低い。。現在、運動禁止、重いものを持ってはダメ。それでも復帰をすれば多少は無理をしようと思っています。でも、出血の爆弾を抱えていて、これから暑くなる季節に病み上がりの私が自転車で訪問介護出来ると思いますか?。。まだ心は揺れていますけれど、本橋君の居る事業所辺りが丁度良いのではないかと思っています。彼も北尾さんを俺が守ると言ってくれているし。。」と言うと。。
「分かりました。。」と残念そうに答えていました。
これは関本ちゃんからも後から話を聞いていたのですが、北尾さんを特別待遇で訪問介護のポジションで新しくスタートさせるって意気込んでいたよ~って。。その後、僕は。。北尾さんに嫌われてしまったかな~としょぼくれていた。。そうです。。
後は利用者様の情報。。北尾さんはこのまま辞めてしまうのではないか?あの人を辞めさせてはダメ。。お休みが長すぎる。。何かあったのではないか?等ざわついているらしいです。。
これは本橋君が応援に数日戻った時もそのように聞いていて、「北尾さん。利用者様にはちゃんと挨拶した方がいいですよ。」と言われて困っています。
私は嘘はつきたくないし、自分の意思で事業所を変えた事は話さなくてはならなくなる。。でもどうして?と聞かれると、その理由は言えないのです。。
まぁしばらく考えます。。
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