戻らない道程~口座
父の郵便物を整理していて厄介なものを見つけました。一つはデパートの積み立てカード。これは毎月二十万円積み立てていたようで、一年で二百四十万円のところ、二百六十万円使えるというカードで、更新月は十二月のようでした。今年は一月と二月に積み立てていますから、解約すれば四十万円戻ってきます。昨年の分は一月にほとんど使っていたようで、解約するとボーナス分を引いた金額が戻るのですが、すでにボーナス分まで到達しているので解約してもゼロ円。残っている分は解約前に使ってしまえば良いのですが、本人が浮世に居ませんのでしかたありません。戻ってくるのはトータル四十万円です。他に株も見つかりました。概ね百万円ぐらいでしょうか?しかし、株と言えば現金化する際、かなりの手数料を引かれるでしょうし、はっきりとはいくらとは言えませんが、とにかくこんなものが出てきた以上区に報告せねばなりません。。所長に報告すると、区としてはもはや扱えない。父の負債金と照合して娘の私の方で清算して、その詳細報告はいらないというのです。
そうなると逆に父の負債額の整理をきちんと出さねばと思って連日片付けよりの郵便物の整理を中心にしました。どちらかと言うと余る方が私としては困ります。
とにかく目がまだ本調子ではないので作業は辛かった。。。
水道代と電気代等だけで一か月と半端な分を合わせると五十万円越えです。それに家賃が都合一か月半分、様々な定期購入の未払い分がこの時点で三万円位ありました。問題はモバイル契約。。一台は違約金含めて解約して十万円位でしたがもう一台は死ぬまで契約とかいう契約で、解約は出来ないシステムだそうで、そうなると月々七千円程を延々請求されるらしいのです。権利を譲渡すれば手数料三千円ですが、そんな契約を誰が好んでするでしょうか。。どうしても解約と言うのであれば不払いを続けてください。というのです。その期間は未定で最低でも半年、しかし、不払いと言う悪質な例という事で、もっと不払いさせる場合もあるとの事。で、愈々支払ってもらえないと判断した時点で違約金ではなく損害賠償金を請求となるようで、父の場合、本体の分割分と損害賠償金だけで二十万円程それに不払い期間に応じた月額利用料が追加されるとの事でした。どこの携帯電話会社とは書きませんが、家電量販店の店先で年寄り相手にこのような商売をしている事に腹が立ちました。そのほかにジェイコムと電話などの契約をしていて、ここは悪質なことは無く、まともな契約でしたが、他に介護用品のレンタルなども狭間の期間不払いが出てしまいます。後はうちが払うとケアマネさんを安心させた介護料の不払い分もあります。
まぁ、概ね百万円超えるくらいでしょうか?そうなると株を売った金額がどのくらいか?証券会社に電話を入れました。これが最も厄介で。。
認知症の父に代わって私が株を売って解約できないか?と相談したのですが、
お父様が認知症という事でこの記録は残ります。で、まず認知症のお父様では株の売り買いはさせられません。で、たとえ委任状を書いてもらってもお父様がご存命中はお嬢様では売り買い解約はできません。と言うのです。
「じゃぁこの株。。どうなるんですか?」と聞くと父の正式な後見人でないと動かせないというのです。。
ケアマネさんにまず相談しました。私の手には負えませんと。。
所長に電話すると、「何か勘違いされているようですが、区が後見人になるというのではないです。市民後見人を今申請しているところです。勘違いしないでください。」と言われ、八方ふさがり。。
実はこの後、どんどん話が錯綜します。
小平の施設の方でせめて市民後見人もしくは申請中でも構わないが書類が必要となり、ケアマネさんから私に早く申請をしてほしいと連絡が入りました。
ついては区に用紙がすでに用意されているからサインに行ってほしいというのです。これは井本さん担当だからと言われて井本さんに電話すると所長の管轄だと言われ、今度所長に電話するとそんな話は聞いていない。。と言うのです。その上、「前に申請中だとおっしゃっていたのはどういう事だったのですか?」と聞くと、そんな事は言っていないというのです。で、その後又錯綜。。小平の施設の保護者欄にサインをしてくれとは?。。
部屋はどんどん片付けているのに父を戻すなんていうことになったら大変な事になります。。私は精神的に追い込まれていました。渋々まぁ仕方ないかとサインを承諾した。。そうした途端小平に行く日程、ショートステイは概ね小平入所から二週間くらいで特養扱いになると。。ポンポン事が決まり、動き出したのです。
ただ、一つ不安だったのは、本当に特養に入れるかどうか?です。。これだけ言われてきた事が錯綜したのです。口約束だけでは信用できませんでした。
何故特養扱いにこだわるか?は特養は入ったら一生です。例えば病気治療で入院とかでも戻る場所は特養です。特養扱いでない場合、例えば老健等は、三か月経ったら出て行かねばならない。次の老健を探すのは保護者である家族です。
十年老健たらいまわしっていう人もいます。私はとても付き合いきれません。
付き合いきれなければ自宅に連れ帰るしかないのです。
そんなことになったらもう彼も私も全員が死んだも同然になります。
私は練馬区の無料弁護士相談会に申し込むと、今すぐなら空きがありますというので急いで出向きました。弁護士さん曰く、特養扱いに絶対にしてもらえるという確約書は貰っておいた方が良い。しかし、根本的な問題。。「お父さんを手放しなさい。」でした。。否、団地がもう住める状態ではないです。。私が片付けたんです。。とため息をつくと。。一つ教えておいてあげます。。と弁護士さんが言いました。
「お役人と言うのは後戻りできない人たちなんですよ。。あなたが手を引いてもお父さんは予定通り小平へは行きますよ。。もし、それが中止となってお父さんが団地に戻ったらそれはそれでいいじゃないですか。あなたはもう関係ない。もう、お父さんの犠牲になる人生はやめなさい。で、もし、サインをするなら覚悟を持たないといけませんよ。」と言われました。。
そのまま実家へ行きました。。まだ、書類が一袋、、残っていました。。
ため息をつきながらチェックしていると。。株の口座の書類が出てきた。。口座??ああそう言えば、配当金を貰う際。。いつも取りに行かねばならなかった事。。で確か口座扱いにしたんだっけ?否、違う。。口座がありますがそちらに。。そうだ。。「口座がありますから。」と言っていた。。
で、お任せします。。と私は言って。。その後。。父が解約したいと言いだしたものの放置したのだった。。。
その時の事。。記憶が鮮明に浮かびました。。
その口座の残金は二百万円以上ありました。。動かせないお金がもう二百万円増えちゃったのです。
元々、佳代さんが投資の為に入れておいたお金でしょう。。
こんなにお金があって生活保護を受けていたのです。。父は認知症、勘違いで済みます。でも私は健常者。。これを知って父のサインなど出来るはずもない。。不正受給の詐欺になってしまう。。私はケアマネさんに電話をして。「私、全部手を引いていいですか?更に二百万円動かせないお金が見つかったんです。やっぱり時期尚早だったのです。あの時、戻りましょうと言ったのは私だけでしたよね。父のお金の動き、。。やはり一旦は宥めすかしてでも父から色々この三年の事。。聞き出さなければいけなかったんだと思う。。城田さんにはお世話になっていたけれど本当に申し訳ない。どうか、その後の父の事を頼みます。。私はもうこれ以上。。目の事もあります。。あれだけ話が錯綜する方たちとも渡り合うのは限界です。本当にごめんなさい。」と言って最後に鍵の受け渡しなどの為、数日後に実家で城田さんと待ち合せの約束をして帰宅しました。。この夜、私の目は又出血しました。。
旦那さん話している最中チクンとしたので、残っていた止血止めを飲み、翌朝わかりました。。ただ、大量ではなく微量出血でおさまっていたようでした。
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