花葬

 先に逝った者を、取り決めた花木はなぎの下へ、残った者が埋める。我々を繋ぐ、一つの約束事。


 やつれゆくその人は、藤が綺麗、と目を細めた。私は知っている。たもとの中の手首が痩せ衰えているのも、自力では起き上がる事すら叶わぬのも。


「出歩いていいのか」

「好きな花を決めないと」

 淡く儚く美しく、微笑む。

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