18世紀ドイツ。磁器創製の任を受けたベットガーは機密保持のために城に幽閉され、磁器の研究に勤しむ。しかし満足いく成果が出せず、その心身は病んでしまった。その兆候は、助手として遣わされた東洋の少年影星が現れたことによるもの。ベットガーの周りからは悪魔と疑われる少年。はたしてその正体は――西洋を舞台としながらも、故事など東洋のエッセンスがベストマッチ。まさに磁器のように肌理細やかな文章力で焼き上げられた幻想的な作品です。