第8話ツカサ

足音と砂を磨り潰すような音が近づいて来た。


「よう、ツカサ!」


出っ歯の仲間?


黒光りしている長い髪の毛を垂らした女が暗闇の中に現れた。


「あんた、血の臭いがするよ。」

 

僕は、女を無視した。


「ふーん。」

と女は言って隣の席に座った。


「こいつだよ、ツカサ。」


「妻殺しのオナニー野郎?」


出っ歯が、腹を抱えて笑った。


「僕は僕だよ。」


「そう幼稚ね。」


ツカサは、ポケットの中からタバコを出して火をつけた。


僕に勧めてきたが


「タバコを吸う女は嫌いだ」と言って断った。


ツカサは、顔に微笑を浮かべた。




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