第2話感触

妻の柔らかい体を刺した感触が残っている。

あぁ、こんなにも人の体は柔らかくてもろいものなのかと僕は僕を客観視していた。


妻の浮気相手の男は、逃げようと必死で玄関から外に出ようとしていたが、僕の体は素早く動いて口を左手で塞いで首筋を刺した。


台本通りだ。


頸動脈を傷つけると熱いシャワーの血が僕の顔に降り注いだ。


恍惚という感情が脳から生み出された。


リビングルームから音がして僕は脱け殻になった男を離して妻がまだ生きていると感じた。


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