第165話「敵タイツってなんですか」

「太郎、聞いたぞ!」


「そんなに興奮して何を聞いたというんですか、ハルカさん」


「とにかく妾は太郎の姉上からあの話を聞いたのじゃよ!」


「あの話?」


「なんじゃったか…てきあいつ、みたいな。雨を降らせるあやつじゃ!」


「敵あいつ…? あぁ、低気圧のことですか。それがどうかしたんですか?」


「聞いた話によるとその…てきたいつは相手の古傷を疼かせ、雷雨を呼び出すという恐ろしい存在ではないか!」


「だから低気圧ですってば。敵タイツってなんですか、週一で起こる殺人事件の犯人ですか」


「ふむ、そのて、て…そいつは妖精らしいから使役したいと思ったのじゃ!」


「まぁ名前覚えない人に使役してほしいとは思わないでしょうね」

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