第83話「今日の弁当は当たりでしたね」

「太郎、お弁当よ」


「え、マジですか、母さん」


「そんなに頑張ったわけじゃないから、そんなに喜ばなくてもいいのよ?」


「いや別に喜んでは…いえ、ありがとうございます」


「ナマモノは入れてないけど、早めに食べなさいね」


「変なものは?」


「そんなもの入ってるわけないじゃない」


「え、笑顔が不安になるってあるんですね。それじゃあ行ってきます」


 ーー


「今日の弁当は当たりでしたね…普通に美味しかった」


「あら、どうしたの?」


「あぁ、母さんですか。弁当おいし…うぐっ!?」


「急にお腹を抱えてどうしたの?」


「ま、まさか遅効性の毒物だとは、思いも、しません、でし…た………」


「全く太郎ったらそんなところで寝たら風邪を引くわよ?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る