第70話「100あるうちの1つにすぎん」

 近くの公園を散歩していると、能面が砂山に座っていた。


 なんだろう、見たことある気がする。


「もしかしてハルカさんですか?」


「…姿を変えた妾の存在に気づくとは。妾と契約を交わしただけのことはあるのう」


「いや、ハルカさん制服着てますし、それに被り物といったらハルカさんしか思い浮かばなかったので」


「それで太郎よ、なぜここにおるのじゃ?」


「まぁ散歩ですよ。今日はどうして能面なんです?」


「フッ、妾は姿を変える力を持っておるからな。これも100あるうちの1つにすぎん」


「たくさん被り物持ってるんですね。それでこの前の壷は?」


「妾は闇だけでなく光をもひれ伏せるからの」


「まぁ壷の中は真っ暗ですしね。視界が欲しかったんですね」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援した人

応援すると応援コメントも書けます