第65話「妾と太郎の契約の儀式じゃ」

「ハルカさん、率直に言います。僕らのパーティに入ってください」


「妾を誘うとは…そなた、なかなか見所があるではないか」


「いや、もうハルカさんしか残ってないんで」


「ふふふ、そなたの名前はなんというのだ」


「あ、都合の悪いことは聞き流す方向なんですね。僕の名前は太郎と言います」


「ふむ、太郎か。それではこれからよろしく頼むぞ?」


 そう言ってハルカさんは握手をするつもりか、スッと手を差し出した。


「…あの、ハルカさん?」


「ふっ、これは友好の証…いや、妾と太郎の契約の儀式じゃ。遠慮せずに我が手を取るがよい」


「せめて僕の方を向いて言ってくれませんかね? 壷で見えてないから全然違う方向向いてるじゃないですか」

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