2-1:ミライ&マモリ&ライチO
季節は4月の頭、新学年が始まった最初の日。時刻は昼休み。場所は美術室。そこに、ミライ、マモリ、リッカ、そしてライチがいた。
「なんでライチさんがいるんですか?」
「あれ?始業式のとき言ってなかったっけ?今年度からここの美術の先生になったんだよ」
「いや、そうじゃなくて……どうして学校の先生にっていうか……」
「上から通達があってね。リッカちゃんを守るために、いろいろやってねじ込んでもらったっていうわけさ」
「ってことは、マモリがいるのも?」
「そーゆーことね」
「で、みんなに集まってもらったのは他でもない。リッカちゃんを狙うモノについてだ。リッカちゃんは”
リッカは首を横に振る。
「いいえ……ですが、名前は聞いたことがあります」
「あのー、その”
「そうだった。ミライ君にはまだ話していなかったねそれじゃあ、せっかくだからマモリちゃん説明お願いできるかな?」
「オーケー。魔法ってのは感情の力で、それが黒く染まると魔力に乗っ取られちゃうってのはこの前説明したでしょ?”
「漂白、つまり黒く染める反対ってこと?」
「まあ、反対っちゃ反対ね。魔力、つまり色には彩度と明度があるの。アタシたちがこの前リッカちゃんを助けた方法は、明度を上げる方法ね。でも、これには色々と手間が掛かるし、染戦に失敗すると取り込まれちゃったりするわけ。でも……」
「でも?」
「”
「……どうしてそんなことを?」
「理由は二つだと言われているわ。一つは、明度を上げる方法より成功率が高いこと。もう一つは、再び黒に染まることを防ぐこと。まあ早い話、罪人はみんな死刑ってやつよね」
「つまり……」
「”
「そんな……リッカがなんで……」
ミライがリッカの方を見る。
「ごめんなさい。でも、私はもう元に戻ったし、狙われる理由はわからないの……」
リッカは申し訳なさそうに答えた。
「おそらく、彼らにとってなにか特別な理由があるのだろう。ともかく事態は深刻だ。だけど、チャンスでもある」
「どういうことですか?」
「”
「よろしくね。ミライ君」
リッカはミライに手を差し出す。
「あんまり自信はない絵けど、全力をつくすよ」
「こら!男気がないぞミライ!アタシみたいにもっと自信持ちなって!」
「マモリはいっつも自信過剰なんだよ」
「ま、それがアタシの良いところってこと。ミライにはミライの良いところってやつがあるでしょ?」
「そうかな……」
「そうだよ。だってミライ君は、私を助けてくれたもん」
戸惑うミライの手を半ば強引に握りに行くリッカ。
「これからもよろしくね!」
「う、うん。がんばるよ」
二人の間に握手がかわされた。
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