1-17:ミライE

4月に入り、いよいよ新学期が始まった。ミライは高校2年生になり、それから魔法が使えるようになった。それ以外は特に変わったことのない日常が、また始まる。


ホームルームが始まると、先生が開口一番こう言った。

「えー、新学期が始まってそうそうだが、転校生を紹介する。入ってきなさい」

教室の扉が開き、一人の少女が入ってきた。


「一二三 六花(ひとふみ りっか)です。よろしくお願いします」

「リッカさんは、両親の仕事の都合で引っ越してきた。みんな、仲良くするように」ミライは思わず声を上げそうになるが、ぐっとこらえた。

(良かった!無事だったんだ!)


「席はとりあえずミライ君の横が開いてるから、そこに座って」

「はい」

リッカはミライの隣の席に座ると、ミライにメモを渡した。

『昼休みに美術室へ。魔法のことで相談。』


高校2年生になり、それから魔法が使えるようになった。そして、リッカがやってきた。それ以外は特に変わったことのない日常が、始まろうとしていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る