巷説江戸演義 小噺

作者 筑前筑後

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11人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

時代小説。
取っつきにくいイメージを持ってる方もいらっしゃるでしょう。
そんな方にこそおすすめしたいのがこの作品群。

まず文体から漂う時代小説の雰囲気がたまらない。時代小説の醍醐味を押さえています。
それでいて読みやすい文章で、短編なので時間をかけずにさらっと読めてしまう。

時代小説とは何か、興味のある方も無い方も試しにこちらの作品群を読んでみてはいかがでしょう?

★★★ Excellent!!!

おおよそ文章を書く者なら、より良いものを書こうと知恵を絞るはず。

ある者は長く律動に乗った文体にたどり着き、ある者は短く弾力を持った短文の連なりを見出す。
韻文詩のように語尾に規則性を持たせる者をもいるし、読点の打ち方で読者の視線を捕らえようとする者もいるだろう。

そのさまは、答のない数式の解を求め続ける数学者のように、迷い続けることに他ならない。

要するに、自分で見つけるしかない。
いくら文章の作成技術本を読んでも無駄なのだ。

無駄な言葉を省いたこれらの小説群は一つの到達点だろう。
その文体は、贅肉はおろか筋肉でさえも、無駄だと考えられれば削ぎ落された、一つの美しい人体のようだ。

文章の書き方に悩む人は、ハウツー本を読むよりも世に流れている文章の中からお手本を見つけるしかないだろう。

ここに一つの答えがある。
お手本にしない手があろうか。

★★★ Excellent!!!

「カクヨム」でこのような時代小説が読めるとは、と驚いた。
武家もの、市井ものの、落ち着いた色合いの短編集。
時代小説のなかでも、市井ものはなかなか書くのが難しいと思っているが、それを作者は安定した手腕で書いておられ、情景が目に浮かぶ。
特に、幕切れも鮮やかな「曼殊沙華」がレビュー者イチ押し。

★★★ Excellent!!!

居住まいを正して読まなければいけない小説というのがある。
本作はまさにそういう作品だ。
どれも小品ながらや設定や言葉遣いにこだわり抜いた気配りが感じられ、時代小説の雰囲気を出すために細心の注意が払われていることが伺える。
真摯な作品とは何か、という実例を目の当たりにし、一作者してもかくありたいと考えさせられる、素晴らしい作品群だ。

★★★ Excellent!!!

 カクヨムでは希少な時代小説。

 短編集なので手軽に読めるし、シリーズごとにまとめられてもいて、分かりやすい。時代もの独特の言い回しや、人物描写が、あっという間に読者を本物の異世界へつれていってくれる。

 時代小説というと、どうしても剣戟主体になりがちだが、本作は飲食より。え?と思う人は、是非一度、本作の料理人たちが出す、添加物なし、炭で焼いた魚や、旬の食材を味わっていただきたい。

 間をおいてぽつぽつと零れ落ちるように公開される新作も楽しみな作品群だ。