この財産、差押えます!

作者 猶(ゆう)

246

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★★★ Excellent!!!

――

知り合いに税務署の悪口ばかり言っている人がいます。
でもそれはあんたがいつも変な事ばかりしているからだろ、と思います。
私は事業を立ち上げた頃、税務署の方が親切に色々教えてくれたので全く悪いイメージ無いのですがね。
さて本作はそんな中でも徴収を担当している方々のお話なのですが、いや~物凄くリアル。
エピソード1の所なんて正に実際入られた人の話を聞いた時に出て来た話が随所にありましたもの。
エピソード3は悪者が悪いです。しかも犯罪のやり方が犯罪慣れしている人のそれです。まぁそう言う人達から徴収する話なので仕方ないと思いますが(笑)
これ、作者の方の実体験ですかねぇ?
とにかく面白いです。
税金滞納者の方が読むとつまんないかもですけど(笑)
何かリアルなのが読みたいな、と思う時にお勧め。

★★★ Excellent!!!

――

差し押さえる側とされる側、それぞれの思いは複雑に絡み合う。

それぞれが抱える事情と現実が交錯する中、真っ直ぐに奮闘するマツリさんの姿がキラリしてました。

財務局徴収部機動課の魅力あるメンバーに、是非また会いに来たいと思います!

★★ Very Good!!

――

それが法律ですから

といってその中で自由に泳ぎ回る人と、
そこに少し疑問を感じながらも職務に忠実な人。
ギリギリのラインを攻め込む人。
一つの課にいても、それは人それぞれ。

法は完璧ではない。何故ならそれも人が考えたものだからだ

この物語をよんで、そんな言葉を思い出しました。

★★★ Excellent!!!

――

通常は口座振替なり振込なり源泉徴収なりで支払う税金。手続きをすっぽかすと、必殺取立て人が現金以外の方法で回収にやってきます。
その「取立て人」たちを描いた作品がこちら。

語り口はライトなのに、語られる物語は重いもの。
完納へ至るまでのドラマには、愛だったり誇りだったりが詰まっていて、泣きたくなる。
その中心にいるのが「取立て人」たち。彼らも人間、『仕事』が嫌になることもあるけれど、へこたれない。そして何より仲間想いで、熱いのです。
特に、佐久間係長を猛烈プッシュさせていただきたい。フットサルで鍛えたシックスパックが犠牲になっても、失くさない誇り。カッコいい。本当にカッコいい。今度、呑みに行きませんか?

お仕事コンの参加作品。そのテーマに相応しく、仕事の誇りを描かれた作品です。是非どうぞ。

★★★ Excellent!!!

――

重厚なテーマで、ジャンル的には社会派に該当する本作ですが、さらっと読めるボリュームと文章で好印象。
キャラクタ設計もしっかりしていて、いきいきと現場で活躍するマツリたちの姿が目に浮かぶようです。

そして何より、多くの資料を頭に叩き込んだと思われるリアリティさが、バツグンです!とはいっても説明臭くなく、それがストーリーの中で完全に昇華されている。
素晴らしい作品を読ませて頂きました。

彼らのこれからに、一層のトラブルがありませんように...

★★★ Excellent!!!

――

 わたし達が普段見ることのできない徴税の仕事の内情を、複数の登場人物の視点で描いた作品です。
 エピソードはどれも、現実に起こっているものをベースに書かれているということで、とても身近に感じます。
 さまざまな人生が織りなす、ドラマ、というには生々しいエピソードです。

 納税を滞る人達にはそれぞれ理由があり、中には同情を引くものもあります。
 ですが、やはり、それとこれとは別なのですね。
 日本国民として生まれ、生活するならば、義務をしっかりと果たさねばならないと再認識させてくれました。

★★★ Excellent!!!

――

税金の滞納者。
しかし、皆色々な事情を抱えている。
相続や、経営難。「払いたくても払えない」そう言う人も多いのでしょう。
だが、それを汲んでいれば納税は滞るのみ。
「差し押さえ」という手段を取る際の人々の動きが良く描かれていました。
本来なら国税や地方税、法律など様々な専門的な知識が必要な問題ですが、非常に読みやすく、一気に読んで行けました。

★★★ Excellent!!!

――

社会に法というものが生まれた瞬間、それに違反する者もまた生まれた。人々に法を守らせんとする者達の仕事もまた、どれほど歴史を経ても無くなることはない。
本作は、いつの世にも存在する脱法者達と、社会の掟の番人たる者達の終わることのない戦いを、滞納税金の徴収という切り口から描いた良質な「お仕事小説」である。

テロリズムとの戦いを描いたカクヨム現代ドラマの傑作「撃ち落とされるまで、あと何分?」で知られる作者が、今回もその真剣な筆致で描き出すのは、滞納者と呼ばれる市民達の血の通った人生と、それに挑む徴税吏員達の悲喜こもごもの日常だ。
前作で「テロリストと呼ばれる者達も絶対的な『悪』ではない」というテーゼを唱えた作者は、今作でも繰り返し、法に反する者といえど必ずしも唾棄すべき極悪人ばかりではないという、自身の信念にも近い思いを読者に熱く訴える。

零細運送業の経営者や、経営の立ち行かなくなったホテル業の社長。亡き父から遺産とともに滞納税金までも引き継いでしまった姉弟。今作に登場する滞納者達は、善良な市民から小狡い小悪党まで含め、誰もが日々の暮らしに悩む等身大の一般人であり、「脱法者」の一言で機械的にレッテリングできるような存在ではない。
地に足着いた彼らの人生の描写や、主人公のマツリをはじめとする徴税吏員達の苦悩や葛藤を通じ、作者は、税金を巡る戦いをどこか遠い世界の出来事ではなく、読者や隣人の身にもいつ起きてもおかしくない、身近な出来事の一つとして描き出す。

そうかと思えば、クライマックスとなる第3章では、作者お得意の暴力団と銃が登場し、物語はこれまでとは一味違う「本当の悪人」との戦いに突入していく。主人公の上司を闇討ちし、主人公を拉致し、躊躇ない違法行為で徴税を免れようとする極悪非道のヤクザ。だが、ここでも作者が一貫して描いているのは、悪人と呼ばれる者達にもそれぞれの思いがあり…続きを読む

★★★ Excellent!!!

――

この作品を、追っかけ、ウチは著者様の頭脳プレイの上手さに、惚れ惚れしました。ココまで綿密に、ストーリーをスリリングに組み立て、そして、実在の税務職員のクロウをリアルに表現しています。
この物語の醍醐味は、かっこよさであると思います。登場人物のキャラ設定がものすごくしっかりされている事で、引き出される、独特のかっこいい感じがたまりません。
たいへん、勉強になり、そして、すばらしい、演出でした。
ブラボーですね。

★★★ Excellent!!!

――

税金を正しく納めない者に対して、一般公務員希望だった女主人公が巻き込まれていく物語です。

なんといってもこの作者、キャラクター作りが非常にうまいです!

すっと受け入れられるのは一貫性を持っており、また彼らの意図が会話だけでなく動きで理解できるのです。

まだ第一章だけですが、どんなドラマが待ち受けているのか楽しみです!

是非、ご一読を!

★★★ Excellent!!!

――

最後まで読ませて頂きました。

一癖も二癖もある滞納者達。彼らには彼らなりの事情があるということを描きつつも、決して曲がることのない遵法の精神によって自らの仕事を完遂する。まさにプロ中のプロの仕事と言えるでしょう。

物語の構成も、最初から最後まで段々のよう上昇する緊迫感が空気を引き締め、最後まで緩むことはありませんでした。

魅力的な登場人物達と合わせ、彼らの活躍をもっと見てみたくなるよう案、そんな気持ちにさせられます。

ぜひ一度、ご覧になることをお勧めします。

★★★ Excellent!!!

――

学生時代の親友が生活保護課で働いている。
彼は酒の席でいつも、「やりたくないけどさ……」と話す。それでも真摯に仕事をしている彼のこぼれ話は、厚みがあって面白い。

この作品にも、同じようなニュアンスを感じた。
決して仕事の中身に前向きではなくて、でも誰かがやらなきゃいけなくて、だからこそ割り当てられた仕事に全力を尽くす。
そのリアリティーが、主人公の心理描写に深みを加えている。

同僚も上司も滞納者も、ただの人間で、悩みもあって。
彼らが交わったとき、そのドラマは味わいを増す。

ワクワクさせる展開に、個性豊かな職員達。一気読みさせて頂きました!

★★★ Excellent!!!

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完全な悪人は存在するだろうか?
一点の曇りもない善人は?
余裕が人を善行に導き、困窮が人を外道に堕とす。

徴収部機動課の職員が接するのは一癖も二癖もある手強い債務不履行者の数々。
時には泣き落とし、時には恫喝、あらゆる手を尽くして税を逃れようとする不届き者たちも、その背に従業員、組員、家族など、多くの荷を負っているからこそ多額の債務が生じるとも言えるのかもしれません。

この作品の隅々から感じるのは、作者様のキャラクターたちへの愛です。
背景も経緯も無いただのクズなど存在しない。ただ、その人の人生の一番どん底の部分で関わっているだけ。
そこに現れる本性の部分を闇でなく一筋の光として浮かび上がらせる展開には、人という存在を信じようとする作者様の優しさが込められているように感じます。

地方自治体の滞納税差し押さえ機関という非常に特殊な業種についての豊富な知識も圧巻で、その職業ならではの得難い情報に触れることができるというお仕事モノ作品の醍醐味もたっぷり味わうことのできる本作品。国税でなくあくまで県税であることは、作品に漂う下町的人情劇の雰囲気を増幅させ、税の強制徴収が題材にも関わらず温かな読み心地を与えてくれます。

★★★ Excellent!!!

――

税金を取るもの、逃げるもの――その人間ドラマを、鮮烈に、エンターテイメント性たっぷりに書き上げた作品だ。

もちろんその背景となる知識には唸らされるものがあるが、目を見張るのは、「差し押さえ」という、普通の人にはあまり関わりのないイベントにまつわる、「人間」たちの物語を読ませる巧さだ。

この物語に出てくる人物には、本当に、血が通っているのである。
生きているのである。

だからこそ、共感する。感情移入を余儀なくされる。
税を徴収されるものの苦しみ、行政の理不尽さに憤慨したと思えば、税を徴収するものの本当の気持ちに、胸が潰されるような理解をさせられる。そして「徴税」という本当の意味を、それに関わる人間たちから、知っていくのである。


この物語の骨子は3つの大きな視点で分けられる。
一つ目は、マツリという主人公の成長物語として。
二つ目は、マツリと佐久間のバディものとしてのストーリー。
三つ目は、「徴収係」という組織ものとしての大きな視点。

この三つは、エピソードにより、焦点の当てられ方が変わってくるのだが、まずマツリの視点で引き込み、佐久間というパートナーとの物語に展開し、最後には「組織」を巻き込み、巨悪に対抗する発展を見せる。

徐々に盛り上がりをみせる、徴税係と滞納者の駆け引き。
一筋縄ではいかない「悪」との闘いに手に汗を握り。
そして最後に、胸のすくような畳み方をするのだが……それは実際に読んでみて欲しいと思う。

さて、たった今、「悪」と言った。
確かに滞納というのは「社会悪」であるし、きちんと納税している者にとっては、決して許されるべきものではない。滞納者はあるいは狡猾に、計算高く、税務局を騙している。

しかし、そんな「悪」にも、角度を変えて光を当ててみれば、心を揺さぶられるような事情があり、ドラマがある。

そんな、「社会」の片隅に隠れた人間ドラマの数々…続きを読む

★★ Very Good!!

――

タイトルを見て、前から気になってはいたものの、税金に対して無知だったから敬遠していた作品。
しかし意を決して読み進めてみると、これが驚くほど頭に入る。

そして一言紹介にもあるように、この作品は税金を通してヒューマンドラマがしっかりと描かれている。
財産を差し押さえる執行人が、差し押さえられる滞納者側が、それぞれの意見・主張を述べ、ぶつかっている様は読んでいて面白い。
個人的にはもうちょっと過激でも良かったと、少し物足りなさを感じたので☆は2つです。

★★★ Excellent!!!

――

 硬貨の山に片手を突っ込んで、握り締めて持ち上げる。
 片手如きでは掴めるものも僅かで、今にもその手からこぼれ落ちていくものがある。
 
 税金泥棒、お役所仕事、とかく揶揄される公務員の悲哀。
 足掻き、苦悩し、訪れる税金滞納者の諦念。
 遺された想いから、残された再生の物語。
 海千山千の裏側に生きる者達の嘲笑と舌打ち。
 
 硬貨が鳴らす音は、心地良いだろうか? 或いは耳障り?
 硬貨1枚を見ても、垢や汚れ、傷と変色があり、様々な人の手を渡ってきたようだ。

 硬貨は、いつしか紙幣となって我々の前に並ぶ。

 人が紡ぎ出す関係性も同じであろう。
 税金の徴収というテーマで、この作品はそれをリアリスティックに教えてくれる。
 積み重なり、交錯し、離れては、戻ったり、これが人生であり、お仕事であり、そこにこそドラマを見るのだ。

 エピソードの並びも心憎い。
 物語の起伏に富み、ラストへの畳み掛ける展開はエンターテイメント性あふれるものだった。
 主人公始め、それぞれのキャラクター達にも人生を感じ、成長或いは変化も描かれていて、好感を持って読ませて頂いた。
 読了後のカタルシスを保証させてもらおう。

 人それぞれ嫌悪はあるかもしれないが、職業に貴賎なし。
 公利の為に、正直に誠実に生きている人の為に、誰かがやらねばならぬ『お仕事』がある。

 この仕事小説がおもしろい! 作品の中で働くヒトに、私の感動も差し押さえられてしまったようだ。

★★★ Excellent!!!

――

納税は国民の義務だ。
我々善良な市民が給与明細の税金納付額を見て「うへー」と漏らしながらも納めているのだから、義務を遂行しない人間からは無理にでも徴収しなければ、これはあまりにも不公平というものだ。
しかし実際に徴収する側の心労を思うと、自分のことでもないのに胃が痛む。

この物語はそんな誰もが嫌がるようなお役目を負った徴収員のお話。
仕事というものは大なり小なり嫌なことはあるものだ。
主人公たちも好きでこの仕事はやっていない。むしろ、嫌なことばかりだろう。

他人の懐から有り金をごっそり持っていくだなんてなんて輩だ、血も涙もない冷血漢か、と揶揄もされよう。
迷える時もあるだろう。時には危険な目にも遭うだろう。

だからこそ、この物語は読んでいて彼らを応援したくなるのだ。

★★★ Excellent!!!

――

 借金取り立てものというと、ついつい某漫画のような『社会の暗部』を垣間見るものを想像してしまいがちです。
 しかしながら本作は、そういう『怖いもの見たさ』ではなく、真摯に『取り押さえの仕方』にスポットが当てられた、まごうことなきお仕事小説です。

 これは実際にこういう仕事に従事していないと、なかなか書けるものではありません。

 さまざまな理由で、税金を滞納している登場人物たちに、あの手この手で税金を支払わせようと手を打つ主人公たち。
 その一手一手に知識欲が刺激されることうけあい。
 そして、なるほど私たちの知らないところで、お役所の人たちはこんなにあくせく働いているのだな、と、ともすれば日ごろ槍玉にあげがちな人々に同情・感謝の念まで湧いてきます。

 また、肝心のストーリーも秀逸。
 ドラマティックな展開と、ツボを押さえた燃える演出でガッチリと読ませてくれます。
 主人公の脇を固めるキャラクターたちもたいへん魅力的。
 とくに、彼女とコンビを組む先輩の佐久間の苦悩と成長については、考えさせられるものがあります。
 私なんかは、主人公より彼に感情移入して読んでたくらいです。

 がんばれ佐久間、超がんばれ。

 私たちの日常の裏で、あくせく働く公務員の皆さん。
 その苦労と知恵を本作でちょっと垣間見てはいかがでしょう。
 少しくらい、公務員さんに優しい気分になれるのではないでしょうか。
 おすすめです!!

★★★ Excellent!!!

――

一話一話が程よい文字数に収められながら、その都度に十分な満足度と次の話への期待感を楽しませてくれる、レベルの高い作品。
県の未納税金徴収なんていう、特殊で、色々と専門知識が必要な職種を扱いつつも、全く読者にストレスを与えることなく、さらりと読ませてしまうあたり脱帽としか言いようがない。

この手の作品では伊丹十三監督の映画『マルサの女』があり、正確には取り扱っている仕事は違うのではあるが、比べられるのは仕方がないと思う。
ただ、あの映画の主人公が「この仕事大好き!」な人間なのに対して、今作は「こんな仕事なんて出来る事ならしたくない」と感じている。それなのに結果として同じぐらい読者を物語に惹きつける主人公になっているのは面白い。

そしてその主人公の仕事へのスタンスが、今作のキモではなかったかと感じる。
と言うのも、自分も前の仕事を辞めた時に結構な額の地方税納税のお知らせが来て苦労したことがある。だから主人公たちの仕事にはあまり良いイメージはないし、序盤に「あんた達のせいでこっちは生活が苦しいんだ!」と主人公が言われるシーンもその発言者の方に同感した。

しかし、主人公たちも苦労し、なにより「この仕事は大変だけど、やり甲斐のある仕事だ」という結論ではなく「こんな仕事はイヤだけど、ちゃんと税金を納める人たちのためにも誰かがやらなきゃいけない仕事なんだ」という気持ちが最後まで変わらないあたり、応援したくなるキャラになっていた。

『マルサの女』の主人公には所得隠しの犯罪者を暴くワクワク感があるが、今作の主人公には「大変だけど頑張って」と応援したくなる共感がある。
そこに面白さへの優越はなく、比べられても遜色はない。
改めてすごい作品だと思う。

★★★ Excellent!!!

――

まず第一に、その卓越した知識に脱帽である。
専門的な物語執筆するに当たって、その知識というのは必ず必要になる。そうして、そういった用語などは、一般的な読者にとって読みづらいものでしかない。
しかし、この作品ではそこを上手くやっているのだ。
専門家同士のやり取りでありながら、その知識がない我々にもどういったものであるかが理解できる。
さらに言えば、その用語が必要な時、いったいどんなドラマが──或いは使う者の感情が現れるのかまで理解できてしまうのだ。
これを卓越と言わずして、なにを卓越というべきだろうか。

それを踏まえた上で、本文を読んでいくと、人間ドラマに今度は驚かされる。
そんな、ありえないだろうということが、絶妙な現実味を以て描かれているのだ。
主人公たちばかりではなく、滞納者の方々にまで感情移入してしまうのである。

はっきり言って、ここまで現実に即しながらエンターテインメントを成立させる作品というのは、書籍化したものでもそう多くない。

チープな勧善懲悪でない事も評価が高い。
正義だとか、悪だとか。そう言ったことではないのだ。
堅実に生きている人間のために、理不尽な恨みを買ってでも職務を遂行する人間がいなくてはならない。
その難しさと葛藤を、私はこの作品から教わったような気がする。

是非とも今の内に、多くの方に読んで頂きたい傑作である。

★★★ Excellent!!!

――

県税徴収課という、普通に生活していれば意識さえしない仕事。
しかし、当たり前ながらそこでは一生懸命働いている人がいるわけで。

税金という身近なものでありながら、よくわからない存在。
それに振り回されるこの小説の「相手方」もまた、人間であり。

制度と現実の狭間で、どのように落とし所をつけるのか、と悩む登場人物たちの様子は、「仕事」とは決してマニュアルではなく、人間の手で行うものであるということを強く意識させられます。

それと同時に、「へーそーなんだー」という知的興奮、「うわぁ、マジか…」というワイドショー的でしっかりと読者を引き込んだうえで、強大な敵とのクライマックスへと雪崩れ込んでいくエンターテイメントととさても非常に質の高い、満足度の高い作品。
そしてその敵もまた、人間であり…



ドキドキしながら後半は一気に読んでしまいました。面白かったです!

★★★ Excellent!!!

――

のっけからスリリングな展開に、読みやすくてスピーディーでテンポの良い文章で「これは面白いな」と冒頭の数話で確信。
そしてやってくる滞納者たち。次々と襲いかかる困難に息もつかせません。最初から最後まで全部読みごたえがあります。特にラスト付近の盛り上がりは必見!
ただ財産を差し押さえるだけでなく、差し押さえられた人の人生が見えてくるのも面白いですね。
嫌われ役になりながら、葛藤しながらも業務をこなして成長していくマツリや、過去に色々あり、それでも頑張る佐久間さんもつい応援したくなったり。悪役である桐生や美月もなんだか憎めません。
難しそうな仕事内容をストーリーに上手く絡めて説明する手腕も見事で、理想的なお仕事小説だと思いました。

★★★ Excellent!!!

――

最初から最後まで、いっきに読むことができました。
これこそお仕事小説です。深い知識と、それによってつくられた世界観、濃厚なセリフの応酬。
どれをとっても抜群の作品でした。
脱帽です。

とてもとても、面白かった!

★★★ Excellent!!!

――

日本人であるなら、誰でも無関係とは言えない税金。
今回登場するのは、様々なバッググラウンドを抱えた税金滞納者たちと、それを徴収する主人公マツリの物語。

滞納者が抱えている生活上の問題にぶつかりながらも、法律に則って税金を徴収しなければならない過酷な業務。

まだまだ私たちが知らない物語がたくさんあることでしょう。しかしこの作品ひとつで、十分にそれが感じられるほどの迫力があります。

ただただ、素晴らしい作品です。
どうぞ多くの方の目にふれますように。

★★★ Excellent!!!

――

 税金滞納者って聞くと、どうしても真面目に納めてる人がバカを見るような悪人ぽいイメージがつきまといます。

 でも、この作品を読むと、そんなイメージが完全にとはいえませんけど、崩れたような気がします。

 彼らもまた、人間なんだなって。同じヒロインのマツリや、相棒?の佐久間さんと、同じ人間だからこそ抱く苦悩が、心に響きます。

 人間と人間のドラマに、引き込まれました。

★★★ Excellent!!!

――

あまり一般人が知ることができない県税徴収の仕事の紹介……というだけではなく、その仕事から生まれる軋轢、苦悩、そしてその先にある道までも描いている良作です。
仕事の知識も勉強になるだけではなく、話の展開も魅せて引き込んできます。
現在、第一章を読み終わったところですが、ホテルの売り上げをその場で徴収するあたりから、続きが気になり止まらなくなりました。
スタートの部分は、少しのんびりペースですがとりあえず第一章の読破をお勧めいたします。

★★★ Excellent!!!

――

抜群の取材力と描写力を持つ作者様が丁寧に描き出す、徴税業務のリアルな実情。
税金滞納者というと「悪者」に見えてしまいがちですが、皆それぞれの事情があるのだということを見せ、どのエピソードも最後は少し希望を残すような形で終わるのが、作者様の優しさですね。
最新の章では作者様お得意(?)の暴力組織が出てきて、物騒な話に突入してきましたが、最後まで無事に終わることを祈っております。

★★★ Excellent!!!

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税金滞納者。それが善か悪かと一般論で言えば、悪でしょう。
税の滞納を放置する事は、税収の面から言って国家の不利益であり、それでなくても真面目に納税している人々が馬鹿を見る。
ゆえに、それを正すのは立派な仕事だと言えましょう。

言うなれば「公的取り立て屋」。
取り立て屋という言い方をすれば、おんどれの腎臓も肝臓もなんもかんも売って、というノリをまず想像してしまいますが、
そこは公務として税を取り立てる彼らの事。
法と制度に基づく正当性を武器にして、悪質な滞納者をやり込め、追い詰め、正義を執行する!

――と、そんな単純な話であれば、どれほど良かった事か。

滞納するには、止むに止まれぬ事情がある人もいる。
いかに滞納者とは言え、税を無理に納めさせる事によって人生を壊してしまう事もある。
そういった事に配慮して手心を加えれば、滞納者の言葉は嘘や演技という事もある。

真実はいずこにあり、何をすべきが正義なのか。
そもそも、この仕事を遂行する事は正義なのか。

職務と温情の狭間で揺れ動きながらも、滞納者を追い詰め、しかし時には彼を理解して手を差し伸べる。
「取り立て」とは、そんな倫理観と人間力の問われる仕事であるという事が、本作にて赤裸々に描かれています。

★★★ Excellent!!!

――

財務局という我々に馴染みがありそうで、その実、内情はあまり知られていないテーマ。
私事になってしまいますが、実は税金などに関しては疎くて、よく知らない事が多いんですよね。難しくて、どちらかと言うと苦手な話ではあるのですが、この作品では素人でも分かりやすく説明がされており、また、フィクションとはいえ実際に有りそうなリアリティも持っています。
こういった内情に詳しくないと、これほど現実的で、しかも徴収する側とされる側の反応というものも「ああ…有りそう」と読み手に感じさせる事は難しいのかなぁと感心させられました。
どこか伊丹十三さんの作品を彷彿とさせ、難しいテーマでありながらも身構えずに楽しめる物語だと感じました。

★★★ Excellent!!!

――

 脱税をする者と、それを追及する税務署。その攻防が高い現実味をもって描かれる一方で、各章の結末は現実ではそうそうなさそうな良い話で終わっており、とても気持ち良く読めます。
 脱税者やヤクザであっても、なんだかんだで一欠片の人間性くらいは残っている登場人物ばかりで、少なくとも主要な人物には血も涙も無い金の亡者の外道みたいなのはいないという点も、そういう印象を強めているのでしょう。


 …………ところで、カクヨムのレビュー指針では「この小説を読みたくなるように」と指導されてますね。上の文章を書いてて思ったのですが、こんな普通のレビューで皆さん読みたくなるのでしょうか? 


 よく考えてみましょう、今の世の中、売れる本は「エグゼクティブはなぜゴルフをするのか」とか「社長のベンツはなぜ四ドアなのか」とか「なぜベストを尽くさないのか」みたいな、こう、読んだ人間が得しますよアピールをしてるやつばかりですよ? やっぱりみんな、お金を手に入れてエクゼブティブになり、四ドアベンツでばーん、ってロイヤルホストに乗りつけたいんですよ。

 それを踏まえた上で、「この小説を読みたくなる」レビューを考えれば、キャッチコピーは当然こうなりますよね。


「これを読んで、私も○○万円脱税できました!」


 ほら、だってこの小説には脱税する側の手練手管が載っているわけですよ。しかも、それを追求する側のやりくちも載っているので、それを学ぶことで対策を練ることもできます。

 私もこれからは、愛人にお金を渡す時は110万円ずつにしようと思います。でもよく考えたら愛人いなかったので、まずは愛人を作るところから始めたいと思います。
 あと、税務署に追われて愛人宅に隠れる時は、敵に知られてる車は使わないようにしようと思います。でもよく考えたら愛人以前に本妻もいなかったので、まずは婚活するところから始めないと…続きを読む

★★★ Excellent!!!

――

 地味に大事なお仕事、税金の取り立て。

かなり細かに書かれてて、このお仕事に必要な知識とかとても大変そうという思いが出てきました。

しかしながら、お金というものは生活に密着するもの。
取り立てるとどうなるのか、取り立てる側、取り立てられる側、両方の人情も描かれています。

よいお話ばかりではありませんが、最初に書きましたように地味に大事なお仕事です。最後はハッピーに終わることを願ってます。

★★★ Excellent!!!

――

これぞまさしくお仕事小説! といった感のある作品。
丁寧に調べられてあり、読んでいると知識がどんどん増えていくのを感じました。
税金取立てというと一見地味なテーマにも見えますが、不正や裏切り、相続悲劇やそして正義といったドラマ性を持たせています。
税とは国と国民を結びつけていくものだと思うと、その取立てもやはり無くてはならない誉れある仕事なのだと思わされました。
最新話まで読んでしまったので、続きを楽しみにして待ちたいと思います。

★★★ Excellent!!!

――

何だか本当の話みたいな気がして熱中して読めました。
マ〇サの女とは違うけど、
それを目いっぱい市民向けにしてリアルに近づけたような物語。

きりがよいので、ここでレビューを書きますが、状況が変わり次第、付け足していきます。内容によっては好ましくない表現を書くかもしれません。

あれやこれやの理由をつけて税金を滞納した人からどうやって、
毟り取るのかが、まるでノンフィクションドラマみたいに書かれています。

と言っても、かなり脚色してあるであろうことは伺えますが、
それでも臨場感は凄いものがあります。

5/8追記
難しいテーマだけどテンポも良いし、全く躓かずに読めました。

税金滞納には気を付けよう!
と、標語のような言葉で締めくくらせていただきます。

★★★ Excellent!!!

――

税金の滞納が発生するにあたって、どのような形で徴収されていくかを描いた作品。
税について知っている面から知らない面までいろいろあったので、もう少し興味を持っておいたほうがいいなと思わされます。
いやはや、完成度の高いテレビドラマを見ている気分でした。
文章のテンポも構成も素晴らしい。

★★★ Excellent!!!

――

みんなが普段ぶちぶち文句言いながら何気なく払っている税金。
もし、その税金を滞納するとどうなるのか……

ある意味、現実の恐ろしい部分が垣間見える、まさに「お仕事」小説の名にふさわしい作品です。
滞納者は滞納者の、徴収者には徴収者の苦悩があるのだと読みながらワクワクドキドキが止まりません。

★★★ Excellent!!!

――

この小説はカクヨムに登録して以来、最も集中して読んだ話かもしれません。

私事で恐縮ですが、私は自営業の経験があり、税金という単語は大嫌いです。税務署は敵だと半ば本気で信じ込んでいたりした時期もあります。経営をやってると税金というのは吐き気がするくらい腹がたつもので、売り上げがあっても現金が無いとやむなく納税のためにサラ金で数日だけ金を借りるとか、売り上げが1000万を超えて喜んでいると消費税払えという要求が来るとか、なにかと頭を抱える問題であるわけです。それが原因で首を吊ったり人生が狂った話も身近に見てきたわけです(もっともこれは行政の差し押さえというより、主に金融屋の追い込みによるものですが)。

で、これはその納税が遅れたからといって、人が汗水たらして手に入れたものを取り上げに来る人たちの話なのです。とにもかくにも、すごく悶々とした気持ちでこの話を読み始めました。

この作者さんしばしば個人的にも会話することがあるし、前作が非常に好みの話だったので好感を持っているのですが、それはそれこれはこれ。少しでも気に入らなかったら星なんて入れるもんかと内心思っていたわけです。

しかしながら、そうした私の個人的な偏見に満ちた固い頭を、この作品は懇切丁寧に解きほぐしていきました。
まずもって、彼らは福祉や教育、科学技術といった公益のために仕事をしているわけです。そして包丁持って待ち構えてたりのらりくらりと理屈をつけて逃れようとしたり、そういう相手にも誠実に対応しなければならない。その苦悩が経営する人たちの気持ちと同様の真剣勝負であるということが伝わってきました。そして、滞納に関する法律や措置なども詳細に書いてあり、こうした仕事が社会にとってどういう位置づけにあたるのか、という表現も積極的に入れてきていました。

行政、体制側が民業に対して成すべき最大の責任とは、説明をすることに…続きを読む