女王の騎士 3



・・・・この人数・・・・勝てない・・・・?

いや、勝つんだ!

剣を構える。


そんな俺の姿を見た男が静かに口を開いた。



「・・・・君は何の為に戦っている?」


何の為・・・・?

そんなの決まっている。



「・・・・自分の為だ」


「自分の為にこんな虐殺を繰り返したと?

その身体を維持する為に?」


・・・それは違う。

別に維持したかった訳じゃない。



「はぁっ・・・・はぁっ・・・・そんな訳ないだろ。

身体を維持する為じゃない。英雄になる為だ」


喋るのも辛い。

倒れそうだ。



「水の国では大量に虐殺した者が英雄になれるのか・・・・。

女王はどこで道を間違えたのか・・・・」


「はぁっ・・・女王は何も間違えてない。

弱者が生きやすい国を作ろうとしただけ。俺はそれに賛同しただけ・・・」


「弱者が生きやすい国?それは逆ではないのか?

現に今、何も持たない弱者達が無残に殺されている」


「違うっ!死んでいったのはモンスターだ!人間じゃないっ!」



男は剣を静かに鞘から抜くと構えた。



「話し合いではやはり無理なのか」


話し合いで片付けようとしてた?

バカかっ!



「そんなの無理に決まっているだろっ!

お前を倒し、女王の騎士になるのはこの俺だっ!」



剣を男めがけて振り下ろした。


動きも鈍ければ、先ほどのモンスター討伐で力も失っており、振り下ろした剣はあっさり男の剣によって受け止められる。


「・・・・勝敗は見えている。

こちらとしては出来れば、貴方を綺麗な状態で捕獲したい。

大人しく捕まっては貰えないだろうか」


はっ?捕獲?



「捕まってたまるかっ!」


再び剣を次は右側から斬りこもうとするが、それもあっさり見極められ・・・・



「この状態で勝てると思っているのか?

もう城はおちたも同然。

貴方はもう逃げも隠れも出来ない」



「逃げる場所も隠れる場所もないっ!帰る場所も待っている人も居ないっ!

生きる為に勝つんだぁっ!」


何度剣を振り下ろしても、全て相手に受け止められてしまう。


勝たなくちゃ・・・・・!

女王の騎士になるんだよっ!



そうしないと・・・・・俺は・・・・俺は・・・・。




「隊長!ご報告します」


突然後ろから声が聞こえてきた。

振り返ると、あいつらと同じ甲冑を来たモンスターの姿がある。


前後で挟まれた・・・・・・!

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