第115話青年


未夢は、仕事帰りに花屋に寄った。



今日は父の日だった。



そこで小中学生で同級生青柳守と再会した。



「青柳君、お花屋さんになったんだ。」



「実家が花屋でさ…。何となく始めたんだ。」



彼は、不思議な青年だった。



特に目立ちはしないが節々で思い出す青柳守…。



「警察官か…。俺もなりたかったんだよな。」



「え?そうなの?」



「でもさ、色弱でさ試験で落とされたんだ。」


「そうなんだ。」


「木村が警察官になったって聞いた時は嬉しかったな。」



「うん…。ありがとう。」



守の手先は器用に動いて花を束ねて完成した。



お互いの連絡先を聞いて別れた。



好青年…守は、その言葉がぴったりだった。



実家に帰ると太郎は梓と夕食を食べていた。



「わざわざ来てくれたんだ?」



梓は、花束を受け取り太郎に渡した。



少し照れ臭そうに太郎は未夢にありがとうと言った。









「剣は?」


「遅番だって。」



梓が心配そうな顔をして答えた。



「そっか…。」


「大丈夫、剣は俺達が思ってるよりも強い警察官になる。」



太郎がオナラをしながら言った。



寮に帰ってから未夢は青柳守にメールした。


【お疲れ様。】


【お疲れ様(^ー^)今日は花を買ってくれてありがとう。】



返信はすぐに来た。



こうやって普通に人にメールをするのが未夢には初めてだった。



勉強は、出来たが彼氏が出来た事は無かった。


【美人さんになったね。木村は。】


【青柳君は、好青年って感じだね。】



映画に一緒に行く事になった。






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未夢と守は、ラブストーリーを観て満足した。


映画館を出ると剣と数人の警察官が待っていた。



守は、ため息をついた。



「未夢、ありがとう。」


「ごめんね、守…。」



守は、警察の車で運ばれた。



守は、脱法ハーブを育てていた。




「姉ちゃん大丈夫?」


「うん、泣いちゃったけどね。」


未夢は、何回か守の店に行って見てしまったのだ…。



トイレを借りた時に部屋中に植物が育っている鉢を見て唖然とした。


剣に相談して逮捕してしてもらった。



「わたしが好きになる人はいつもそんな人だから…。」

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