第55話高い壁
太郎は、何とか三人を言い含て○○拘置所前まで来た。
太郎は、高く冷たい壁に頬をつけて目を閉じた。
「おい、太郎!何してんだよ?」
「春男ちゃん、この高い壁の中の人間は毎日何を考えて恐れて過ごしてるか考えた事ある?」
「犯罪者の気持ちなんて知らねーよ。」
「首つり、外の空気、自己の存在意義の喪失、神への懇願、諦め、全てが染み付いた世界。」
「罪への意識は無いのかよ?」
「春男ちゃん…ここに入ってる人間が全て罪人とは限らないよ。」
「意味不明だぞ。」
「うーん、ここかな。」
太郎は、壁をコツコツ叩いた。
数秒すると壁の一部分がズッと音を立てて穴が空いた。
そこから人間の生首が出て来た。
「うお!」
「しー!」
「やあ、袴田君。久しぶり。」
カメレオンのような顔をした男に太郎は挨拶した。
「あ、先輩待ちました?」
「いや、ピッタリ。」
「僕は、五分待ちましたよ。」
「いやいや、すまないね。」
「まぁ、先輩のルーズな所、僕は、好きです。ここから入って下さい。」
「サンキュー。じゃあ、行ってみよう。」
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