第54話手紙
太郎は、ハムスターのミルキーまで仮眠室に置いた。
置いたという事はゲージごとである。
まぁ、ハムスターはゲージが無ければ飼えないのだが…たまにハムスターのゲージの世界が独房のように太郎には思えてならないのである。
「ついに、ミルキーちゃんも引っ越しですか。」
梓が、事件の資料を整理しながらゲージの中を見つめている太郎に言った。
「ミルキーって幸せなのかな?」
「え?」
そこに、緑が入って来て手紙らしき物を太郎に渡した。
「○○拘置所からですよ。」
「サンキュー、緑ちゃん。」
緑は、興味深げに太郎の開けた手紙見つめていた。
「何で、緑経由で拘置所から手紙が届くんですか?」
「俺が、そう頼んだら。まぁ、色々大人の事情があるんだよ。あずあず。」
梓は、釈然としない顔をした。
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「ふーん、気は熟したかな。」
久しぶりに、太郎の笑顔を梓は見た気がした。
「緑ちゃん、春男ちゃん呼んでくれるかな。あと、あずあずにも協力してもらうよ。」
「何ですか?事件ですか?」
「いや、事件をこれから起こす。」
え?
仮眠室に、春男が来ると太郎はとんでもない事を言った。
「今晩、○○拘置所に潜入する。」
「は?」
梓と春男は、同時に声を出した。
「バカ野郎!あそこは簡単には入れないだろ?」
「うーん、だろうね。」
「だろうねじゃねーだろ!俺は、クビになりたくねー。」
「いやいや、今日は警察じゃなくて弱きを助け悪を挫く石川五右衛門になろうよ。」
「何のためです?」
「は?ストレス解消。」
太郎は、梓の質問があたかもアホみたいに答えた。
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