第29話光

「いやー、減俸で済んで良かったですねー木村さん!」


「あずあずさぁ、怒ってる?」


「怒ってませんよ。」


「その笑顔が怖い…。」


「死ぬほど泣きましたから。」


「うん、目が腫れてる。でも、そんな、あずあずも可愛いよ。」


「別に馴れない慰めは良いです。」


太郎と梓は、ハムスターのミルキーを見ながら話している。


「木村さん、いつからハムスター飼ってるんですか?」


「2年前くらいかな…。」


「今まで気が付かなかった。」


「まぁ、存在感が、犬みたいにあるわけじゃないし、あまり長時間触ったりすると、ストレス感じちゃうからね、ハムスターは。」


「で?ハムスターは好きなんですか?」


「特には…。でも、可愛いよね。」


太郎は、ミルキーを優しく手のひらに乗せて笑った。

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