小説書きのための歴史資料(16世紀イギリス)

作者 赤坂 パトリシア

117

41人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

歴史小説を執筆するにあたってネックになるのは、やはり「時代考証」ですね。
その時代に存在しない事物を登場させてしまうとリアリティの減少を招いてしまいますが、かといって最大限史実に沿って描写しようとすると、展開上の不都合が出てくることもあるでしょう。
結局のところ、筆者のさじ加減。
まずは史実を知った上で、正しいものは胸を撫で下ろしつつ、そうでないものに関しては心の中で頭を下げながら書くしかありません。
そんな筆者たちに大変有益なこの資料。
いやあ、もうプリントアウトして保存したいくらいでした。
ありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

やっぱり、英語読めるようになりたいな、と改めて思いました。
自分は、風俗や世界観に振り回されるのは御免なんで、フレーバー的な感じで使っているつもりだから、詩的許容って単語が個人的にクリーンヒットです。
まぁそれでも、現実にどうだったかという知識は、詰め込んどくといい話のネタになりますね。
これからも、色々小ネタを教えてください。なんでも(略

★★★ Excellent!!!

内容は民俗学(?)っぽい感じです。
古きイギリスの風景や暮らしぶりが、わかりやすく、面白く解説されています。

ヨーロッパが舞台のファンタジーを書こうと思ったら、一度は目を通しておくことをお勧めします。

★★★ Excellent!!!

素晴らしいです。
ためになります。

馬車とか武器防具などもレクチャーしてもらえないでしょうか。
あと紋章なんかも解らない事が多いです。

ケルト系の人、だから北部と南部の対立なんかも知りたいです。

★★★ Excellent!!!

なんかもう、いろいろ目からうろこでした。

自分の小説でポカやる前に、お目にかかりたかったですね、このエッセイに。
絨毯バンバン敷いてるし。カーテンの裾いたる所でゆらゆらしてるし。まあ、ウチのはそもそも「異世界」だけど。ごにょごにょ……

中世風ファンタジーを書く紳士淑女の皆さまにも、ご一読をお勧めします。

読み物としても面白いし、
全世界に向けて配信した後の、赤っ恥は回避できます。

★★★ Excellent!!!

歴史小説の読者にとって、時代考証は大きな楽しみです。
歴史小説の著者にとって、時代考証は楽しみであり、心地よい苦しみでもあります。
そんな中でこの文章に出会い、大きく目が開かれたような気がします。
ここでは、ただ知識の羅列だけでなく、その事実をどう物語の中で扱うかについて明確な示唆がなされているからです。
本当に刺激になりました。

★★★ Excellent!!!

歴史小説であれファンタジーであれSFであれ言えることだが、
「現代日本ではない世界」に生命感を持たせるためには、
書き手が現代日本のそれとは違う「普通」をつかむ必要がある。

「普通」って何だろう?
常識、スタンダード、風俗、時流、風潮、トレンド。
いろんな要素はあると思うけれど。

本書『小説書きのための歴史資料(16世紀イギリス)』には、
資料から伺える当時の「普通」が所見付きで紹介されている。
トリビアたっぷりのコラムとして、とても興味深くて楽しい。

小説を書くに当たっての「情報の取捨選択」についても、
本書を読みながらあれこれと考えさせられた。というのも、
調べた情報を「捨てる」覚悟ができない書き手が多すぎる。

読み手は小説を読みたいのであって、解説など欲しない。
台詞仕立ての説明文ではなく、息づいた描写が読みたい。
世界観を作り込むことと設定に溺れることは全く違う。

そのあたりのバランスを成功させるには確かな知識が必要で、
描く世界について何を訊かれても答えられるだけの下地が、
書き手に「捨てる」覚悟をさせ、物語にリアリティを与える。

日本を舞台にした歴史小説や時代小説ならば、少し楽だ。
戦国時代から江戸時代、幕末にかけては映像作品が多く、
書き手と読み手に共通認識としての「普通」がある。

けれども、それ以外の時代や国、異世界を舞台にするならば、
既存の映像作品という共通認識に頼ることができない以上、
書き手が自力で世界観すべてを描かなければならない。

勝者と支配者の系譜はともかく、当時の「普通」なんて、
ちょっとググった程度では調べられないものでしょう。
その点、本書は本当に丁寧でわかりやすくて親切設計。

歴史を学ぶことと歴史小説を書くことの間にある、
難しさと楽しさを感じたり共有したりしたい人に、
ぜひ本書を読んで膝を打っていただきたい。

★★★ Excellent!!!

学校で教わる歴史といえば、為政者や宗教家、芸術家らの偉業のみ。
その時代に生きる普通の人々は何を考えて日々の暮らしを送っていたのか?
そんな素朴な疑問には学校の教科書は答えてくれない。

そうした、表の歴史に現れない庶民や貴族の暮らしぶりを教えてくれるのがこの雑学集。
当時の食事や住居、文化風俗に関する話は純粋に読み物としても面白く、また創作の参考としても価値が高い。

私はよく、SFで未来を描く際に重要なのは「リアリティ」だと人に語っているのだが、
SFに限った話ではなく、歴史小説でもファンタジーでもやはり大事なのはリアリティだ。
「神は細部に宿る」と言われるように、日常の暮らしのなんでもない一幕こそが作品の出来を分ける。
真面目な歴史物を書きたい人にも、また中世風なんちゃってファンタジー世界を作り込みたい人にも、ぜひ一読を勧めたい。