水平線上の戦い

2人は船上の密室にいた。

「うまく紛れ込んでるわね。」

ユキがそう呟いた。

いくら探しても怪しい人物などは居なかった。

「やっぱりデマじゃない?」

そう諦めかけていたニーアだったが、ユキはある人物の足に注目した。

「ただのテロリストにしては上手く紛れ込みすぎてる…」

ユキはそう呟いた。

「どういうこと?」

ニーアはユキに聞いたが何も言わずにある男の後を付いて行った。

「あのー、おじさん!」

ユキがそう言うと男は振り向いた。

「どうしたのかなお嬢ちゃん。」

その男は客船のウェイターだった。

ウェイターの男はそういい両膝に両手を当ててしゃがんだ。

その瞬間にユキが銃を抜きその男の額に突きつけた。

「それじゃあ見つかるわよ?」

ユキはそう言い、男の左足首をコンコンと足でつついた。

「ご忠告ありがとう。それで、私に何の用かね?わざわざこれを忠告するために追ってきたのではあるまいな?」

男は銃に動じず、そう言い返した。

「歩き方は軍人じゃないのに銃を隠す場所は軍人のようだった。でもあなたは高貴な人達と普通に話せるほどの常識人。そんな人が銃は携帯しない。つまり訓練を受けていなければ出来ないことをあなたはしている…あなたは国家防衛省の人間ね?」

ユキがそう言うと男は軽く笑った。

「凄いなお嬢ちゃん。私の負けだな。」

男はそう言い名刺を出した。

「私は国家防衛省テロ犯罪阻止課のジョック=ウェンダソンだ。以後、よろしく。」

ジョックは2人に自己紹介した。

「キャリア組が動いてるということはそれほど大きい獲物なのね?」

そうユキが言うとジョックは首を横に振った。

「それは機密だ。それに…私だけ身分を明かすのはどうかと思うがね。その拳銃も戻してくれないか?」

ユキはジョックの言う通りに階級手帳を出し、銃をホルスターにしまった。

「ほほう…この歳で主席1等飛空尉とは。少し驚きだな。」

そう言いながら男は手帳をユキに返した。

「そちらは…」

ニーアの方を見たジョックは固まった。

「君は…見たことあるぞ?」

ジョックがそう言った。

「いつ?」

ニーアが聞いた。

「…いや、人違いだろう。失礼した。」

ジョックは紳士らしく訂正した。

「私はニーア=ロンです。」

ニーアはそういい尉官の階級章を見せた。

「その階級章は…お前はレンドルン海軍か!?」

驚いたようにジョックが言った。

「昨日亡命ということでレンドルンから逃げてきましたが。」

その言葉にジョックの表情は和らいだ。

「これは…また失礼した。」

そういい頭を下げて謝った。

「私たちはこの船が親レンドルンのテロリストによって占拠されると元レンドルン将校から聞いて怪しい人物を探していたんです。ここまでで掴んだことを出来れば話してくれませんか?」

ユキの無茶なお願いにジョックは少し考えた。

「仕方ない。ちょっと来てくれ。」

ジョックは2人を連れて乗務員の控え室に向かった。

ジョックの入った部屋に入ると何人かの男女が座って書類を見ていた。

「みんな、訳あって今回の作戦に加わったマデラン空軍のユキ大尉と元レンドルン海軍のニーア大尉だ。」

ジョックがそう言うと全員立ち上がり敬礼した。

その動きに2人は少し驚いた。

「こいつらは軍出身でな。私の部下だ。」

そう紹介した。

「君たちと同じように情報が寄せられてな。ここに潜入してるんだ。」

ジョックは机の上の資料を持ち、2人に渡した。

「許されるんですか…?」

ユキはすぐに貰ったが、ニーアはそう聞いた。

「正直な所このメンバーでは戦えない。今は藁にもすがる気持ちなんだ。もし殺されても後戻りはできない。だから高い行動力と頭脳を持ったユキ大尉にお願いしようと思った。軍出身の彼らは将校ほどの高い能力はない。もちろん私も。だから…頼みます。」

そう言い資料を差し出した。

「分かりました。私たちに出来るかは分かりませんが。」

ニーアはそう言い受け取った。

「私を含め今ここにいるのは6人。あと2人巡回に出しているから8人で制圧したいと考えてる。」

資料を読むユキ達にジョックが説明した。

「ならこういう方法はどうでしょう?」

ユキは机に客船の図面を広げて説明した。

その頃、修理を終えた護衛艦サーザーに情報が入った。

「ノール艦長!」

そう言い走ってきたのは副艦長のデヴィッドだった。

「どうした?」

ノールは机に向かって書き物をしていた。

掛けていた眼鏡を外し、デヴィッドに聞いた。

「サーベル総帥から連絡です。ユキ大尉と亡命したレンドルン海軍大尉が行方不明との事。ファメス中将とこの港にいたという目撃情報があり、こちらに捜索協力要請が来ました。」

デヴィッドが伝言を伝えた。

「ファメスは?」

「しばらく出ると言って行方不明だそうです。」

ノールが聞くとデヴィッドはそう返した。

「うーん…」

「目撃された時間は?」

ノールはしばらく考えたのちにデヴィッドに聞いた。

「えーっと…約1時間半前です。」

そうデヴィッドが答えるとノールは窓から外を見た。

「確か…」

ノールは何かを思い出しそうな顔をして言った。

するとノールはいきなり立ち上がった。

「今すぐ出航準備だ!」

そう言い艦長室を飛び出した。

デヴィッドもついて行った。

「ちょ…ちょっと!ノール艦長!どうしたんですか?」

デヴィッドがノールの早歩きにスピードを合わせて聞いた。

「確か客船が2ブロック先に停泊していた。1時間半前、港に来てたとしたら理由はおそらく船に乗るためだ。今日の出航予定は1時間前に出航した客船だけだ!わざわざ乗せたのなら何かあるはずだ。」

ノールがデヴィッドに説明しているうちに艦橋に着いた。

「ノール艦長、どうされましたか?」

船員はノールが勢いよくドアを開けたことで全員立ち上がりノールの方を見て言った。

「緊急事態だ。通信兵は今すぐ港湾局に連絡して、さっきここを出航した客船の航路を聞いてくれ。その他の者は出港準備!」

「はっ!」

ノールの指示に船員全員が動いた。

「手の空いた通信兵!」

ノールが、出港準備にばたつく中、手の空いた通信兵を呼んだ。

「サーベル総帥に今すぐ出航許可を貰ってくれ。首相官邸にいるはずだ。」

そうノールが通信兵に命じた。

「しかし、今の時間は国家幹部会議では…」

「緊急と言え!」

通信兵がそう聞くと大声をあげてノールが指示した。

「は、はっ!」

通信兵はノールの大声にビクッとして従った。

すると港湾局に連絡した通信兵がノールの近くに来た。

「ノール艦長、港湾局に連絡したところ、ここを出港したのは首都行きの客船ヨンドⅡ世だそうです。今いる位置を確認したところ航路から大きく外れていました。」

そう説明した。

「通信は?可能な距離か?」

ノールが聞いた。

「現在の位置では一般回線は通じません。緊急無線の方を使って呼びかけていますが返答ありませんでした。」

「なんでもいい!モールスでも電信でも近くの船へ協力を要請してでも確認しろ!」

通信兵が説明するとノールは焦った表情でそう返した。

その頃、首相官邸では、首相、各省大臣、各軍総帥を含めた、レンドルン外務大臣訪問に関しての国家幹部会議が行われていた。

広い部屋の真ん中に大きい円卓がありそれを幹部が囲んで話し合いを行っていた。

「ではこの書類を作成してからの方が良いのか?」

担当する首相が聞いた。

「はい、こちらの方を作ってからの方がよりわかりやすく出来るかと…」

そう話しているとドアをノックする音が聞こえた。

「どうぞ。」

首相が書類を見ながら言った。

「会議中失礼します。空軍のサーベル総帥に緊急のお話があるそうです。」

官邸職員がそう言うとサーベルの側近が入ってきた。

サーベルは周りに会釈して立ち上がり側近の方へ向かった。

「なんだ。」

サーベル総帥が聞いた。

「護衛艦サーザーから行方不明の2人についての情報が来ました。客船に乗ったと思われ、その客船の様子がおかしいとのこと。」

そう側近が報告した。

「で、どこが緊急なんだ。」

そうサーベルは質問した。

「それが、通信を試みるも返答無しで航路から外れており、2人の姿と共にファメス中将の姿も見られたとのことで、ノール艦長から緊急出港を許可してほしいと連絡が…」

そう側近が説明するとサーベルが少し悩んだ。

「船の情報は?」

サーベルが聞いた。

「ポートランドット発、首都行きの大型客船ヨンドⅡ世です。乗員乗客合わせて400人。」

側近から情報を聞くとまた考えたがすぐにサーベルは首相の隣に走った。

「サーベル総帥、なにかあったのかね?」

首相が聞いた。

「首相、先程お話しした行方不明の12歳の主席1等飛空尉のことで問題が。ポートランドット港から首都まで来る大型客船に乗ってると思われますが、船と連絡が取れず、航路からも外れているため、何かあった可能性があるため緊急出港をしたいと、私の信頼する部下から要請が来ました。」

サーベルがそう説明した。

「それは海軍の管轄ではないかね?」

首相が海軍総帥のオータムを見ながら言った。

「首相、今、海軍の所有する軽巡や駆逐艦、私の乗ってきた戦艦エイデンも首都に停泊中であります。ボスフォラスも先のスパイ事件で低一杯ですので、一番近い空軍護衛艦サーザーに私はお願いしたいと考えています。」

オータムはそう答えた。

「なら仕方あるまい。許可する。」

首相が言った。

「ありがとうございます。」

サーベル総帥がそう言うと側近が走って出ていった。

「では再開しよう。」

首相がそう言い会議が再開された。

待っているサーザーではその許可を受け出港準備を終えていた。

「出港!第2戦速!」

その声を皮切りに船は大きな音を立て港を早足で出た。

その頃、客船は覆面をかぶった者達によって占領されていた。

「騒ぐんじゃない!」

客たちは3階の広場に全員集められていた。

その中にユキ達も居た。

サーザーでは客船にモールスや緊急無線、一般回線を使って呼びかけた。

すると一般回線が通じた。

「ノール艦長!通じました!」

通信兵がそう言うと周りが耳を澄ました。

「こちらは…ヨンドⅡ世号。ヨンドⅡ世号は我々キャットラッシュが掌握した。」

その声にサーザーの艦橋レーダー室は全員固まった。

「キャット…ラッシュ…だと…?」

ノールが呟いた。

キャットラッシュはレンドルンで活動していた強盗団で、押し入った先の住人は居れば寝ていても殺すという残忍な手口で行ってきた。

しかし、去年の夏に押し入った先の住人を殺せず、通報されて捕まった。全員実刑判決を言い渡され壊滅したと報ぜられていた。

「我々から君たちに要求を述べる。我々は…」

その声は要求を述べた。

その頃、ヨンドⅡ世号の広場ではユキとニーアが耳打ちをしていた。

「おい!お前!何を話している!」

キャットラッシュの一味にその場面を見られていた。

ユキは立ち上がった。

「お…おトイレ…」

ユキがそう言った。

「しゃあねぇな。」

そう言い男がユキの近くに行くと、ニーアは足をかけ、倒れた所をユキが頭を蹴り気絶させた。

すると後ろから口笛が聞こえた。

「やるなお嬢ちゃん。」

人質になっていた男が立ち上がって言った。

男は倒れている男を調べようとしゃがんだ。

カチャリ…

男の後頭部に銃が突きつけられた。

キャー!

周りの人達はそれを見て悲鳴をあげた。

「手を上げろ。」

ユキがそう言った。

「おいおい、お嬢ちゃん。物騒じゃないか。お遊びはこれくらいに…」

「あら?あなたこそ物騒じゃない?一般人がここに拳銃挟んじゃって。」

男がそう言うとユキはその言葉を遮るように言いながらズボンの腰に無造作に入った拳銃を足でつついた。

「ふふっ…お前ひとりで何が出来るっ!」

そう言い拳銃を奪おうと男が振り向いた。

ユキは拳銃を取られたが、ニーアが蹴り飛ばした。

「クソッ!」

男はニーアと格闘になった。

ニーアは男のパンチを避けながら、キックやパンチを男に食らわせた。

「ガキが舐めんなよっ!」

男がナイフを取り出し振り回した。

ニーアは右頬を切られた。

ニーアはその反動で床に倒れた。

「所詮…ガキだなっ!」

男はそう言いニーアにナイフを振り下ろそうとした。

その時銃声がした。

「うぁっ!」

男はナイフを落とし倒れた。

ニーアは撃った方を見た。

そこにはユキがいた。

「ガキひとりなわけないでしょ?」

そう言うと覆面の男がゾロゾロと広場に集まった。

撃たれた男に手錠をかけ人質の方に並んで立っていた。

すると全員覆面を脱いだ。

「安心してください!私達は国家防衛省の者です!」

ジョックが職員手帳を見せて言った。

その瞬間後退りする数人がいた。

「おい、あいつを取り押さえろ!」

ジョックがそう言うとジョックの部下が数人の男女を取り押さえた。

「ジョックさん!捕まえました!」

「よし。」

部下がそう言うとジョックは落ちたユキの銃を拾おうとした。

カチャリ…

「あなたも手を挙げてもらおうかしら。」

ニーアがそう言った。

「何を言ってるんだいニーア大尉。私はキャットラッシュじゃあ…」

「じゃあ何で私の階級が大尉だって知ってるの?」

そう言うジョックにニーアが確信づいた。

「私は尉官の階級章は見せたけど、いつ大尉って言ったの?あの階級章には大尉と分かる所はないわよ?」

ニーアは銃を突きつけながら言った。

「ほぉー、ユキと並んで天才と言われるだけあるねぇー。」

ジョックの声はドーバの声になっていた。

「さぁ観念しなさい!空軍には連絡したわ。」

ユキがそう付け加えた。

『我々から君達に要求を述べる。我々は…』

『ノール艦長、この回線…トランシーバーからですよ?』

その声の後に通信兵が言った。

『冗談はいいから報告してくれ。』

ノールがボタンを押して言った。

『お父さんの時もそう言ってました?』

トランシーバーでユキが言った。

『当たり前だ、あいつの冗談好きは遺伝子に入れんでよかったんだがな。』

ノールが嫌々言った。

『すみませんでした。報告します。元レンドルン軍の将校に、この船上で行われるテロ行為を止めろと言われました。ファメス中将の変装をしてました。まぁ利き手が違ったんでわかったんですけど。』

そうユキが言った。

「ほほう…さすがだな。」

ドーバそう言った。

「さぁ、捕まって吐きなさい!レンドルン軍が今、何を企んでるのかを!」

ユキはそう大声でドーバに言った。

「なら、捕まりたくないからヒントだけやるよ。」

ドーバがそう言い立ち上がりニーアの銃にわざと額に当たるように中腰になった。

「11人プラス1人と、1+1イコール25…だよ。」

訳の分からないヒントをドーバが口にした。

「なによそれ、直球に言いなさい!」

ニーアが銃口をドーバの額に押し付けた。

「なら、これは別の件だけど…君のいたレスト島で君のお友達を狙撃したのは…この私だ。」

ドーバは直球に言った。

「お、お前ぇー!」

ニーアの顔が変わった。

「俺を殺すか?」

ニーアがそう言うとドーバが銃を握った。

「今ここで死ねっ!」

ニーアがそう言うと引き金を引こうとした。

「ニーア!」

ユキは足元の銃をニーアに構えた。

「ニーア!駄目よ!ドーバには話してもらわなきゃいけないことがあるんだから!」

ユキはそう言いニーアに向けた銃口を揺らすことさえしなかった。

「ならさ…」

ドーバはそう言うとニーアの銃を奪いニーアに向けた。

「こうすればいいんじゃね?」

「やめろ!」

ユキはそう言いドーバに銃を向けた。

「はぁ…お前さんはどっちの味方なんだか。」

ドーバはそう言うとニーアに拳銃を投げ返した。

「威嚇なら安全装置セーフティーは確認した方がいいぜ。」

そう言い船から飛び降りた。

「またっ!」

ユキは下を見たが何も無かった。

「また同じ手でっ!」

ユキは悔しがった。

周りは何があったのか分からなくポカンとしていた。

「ユキ大尉…これは…」

ジョックの部下が聞いてきた。

「元レンドルン陸軍中将、ドーバ=ミクイレフよ。あなた達の上司に化けてたって訳よ。」

ユキが自分の拳銃をホルスターにしまった。

「じゃあ…ジョックさんは…?」

ジョックの部下は事態を理解出来ていなかった。

「さぁね。でもここに乗り込む前、又はここに乗り込んだ時にすり替わったのかも。」

ユキがそう推測すると船の後方から大きな音がした。

「なんだ?」「爆発か?」

乗客がそう言い慌てだした。

ユキが後ろを見るとサーザーが対空砲を撃っていた。

その先には黒煙をあげるヘリがいた。

「ノール艦長さっすが。」

そう言うとユキは走って客船の操舵室に向かった。

操舵室には船長が1人立っていた。

「仲間を置いて逃げる気?」

ユキがそう言うと船長はユキの方を向いた。

「キャットラッシュのボスさん。」

ユキがそう言った。

「何を言ってるんだい?」

船長はそう言った。

「私たちが見回った時、なぜか拳銃を装備した人があまりいなかった。事前に聞いていた人数よりひとり少なかったんだ。何でだろうと思ったけど、こう考えると辻褄が合う。ボスがこの船の船長なら、私たちが見回った時にいなくても当然。もしくは、この操舵室に絶対いなきゃいけない人がボスなんだってね。」

ユキが船長を暴くと船長は声色が変わった。

「さすがだな、小娘。だけど、お前ひとりで俺を捕まえられるかな?」

「ふふっ…」

そう言う船長をユキは嘲笑あざわらった。

「何がおかしい!」

船長が大声をあげて言った。

「隣国最大の窃盗団のボスに…」

そう言いかけると周りのドアというドアから軍服の男達が入ってきた。

「私1人だけで会いに来るとでも思ってたのかしら?」

ユキが啖呵たんかをきった。

「うぉー!」

その瞬間男達はボスである船長を取り押さえた。

「そいつをちょいキツめのぐるぐる巻きにしてやれっ!」

そうユキの後ろで言うのはノールだった。

「ノール艦長、ありがとうございました。」

ユキが後ろを振り向き言った。

「ユキが冗談さえ言わなきゃもう少し早く来れたのにな。」

少し子供っぽくノールが拗ねた。

「まぁまぁ…これはノール艦長の手柄ですから…」

そうユキが言うとノールがニヤついた。

「これはユキとニーアの手柄だ。」

そう言ってユキの頭を撫でた。

「このまま首都に向かって航行する!」

ユキの頭から離れた手の持ち主はそう大声をあげて指示した。

2隻の船は並んで首都の港へ舵を切った。

そして二人の運命も終わりの海へと舵を切っていった。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます