第71話

「ベルダイア君、準備はいいかね。プレのバトルだからそこまでではないと思うが、ハーブとテイルの監視は滞らないようにせんと、危ない。」


 校長はベルダイアに声をかけた。


「もうできてます。なんですか、上からしゃべられるとイラッとするんですけど?ええ?」


 校長の頭をわしづかみにする。


「ベルダイア君、遊んで・・・る場合じゃ・・・!」


 珍しくベルダイアに反抗し、頭にあった手をどかした。


「昨日、ミシェルが走ってきたのを覚えていないのか。私たちと一回別れた後、ハーブが私たちを狙っているかもしれないと、息を切らしながら教えに来てくれたではないか。」


「ええ。それに対しての対策も済んでいます。わたしたちはいつものようにしていて大丈夫です。向こうから勝手にひっかかってくれるでしょうから。」


 ベルダイアはどす黒い笑みを浮かべた。


* * *


「また急だよね、プレ魔法バトルをやるなんて。校長も物好きだねぇ。このバトルをやる意味なんてあるのかよ。しかも優等科だけ・・・。何を考えてるんだ。」


 ダイスはミシェルにこそっと耳打ちする。


「そうだね。でも何か考えがあるみたいだよ?ハーブをとらえるための。ただ先生たちの力だけじゃ抑えきれない可能性が高いから、優等科って名目で私たちにも協力させるつもりだと思う。あ、ダイス。今までのハーブの資料がとらえるときに必要にあるかもって言ってた。今から王宮の捜査機関に頼んでくれない?」


 昨日、校長たちにハーブのことを伝えに行ったときに校長がミシェルにこのことをダイスに伝えるように頼んでいた。


「分かった。できる限り資料を持ってくる。ただ、俺は王子だからといって王宮で特別扱いなんてされていないからすぐに戻ってこれる保証はないぞ。俺は王子という肩書はあっても、王や王妃からは王族扱いされていない。下働きと同じ扱いだ。だから、時間稼ぎを頼む。」


「うん。いってらっしゃい、よろしく。」


(初めて王宮でのダイスの立場を聞いたわ。かなり苦しい思いをしてるのね。さっきの声のトーンはありえないほど低かったわ。時間稼ぎ頑張んなくっちゃ。先生たちも捕らえるために何をするのかよくわからないけど、私にできることはしっかりしなきゃ。)


「ミシェル。ハーブとバトルしなさい。」


 ベルダイアが指示を出した。そのあと、こそりと倒されてもいけど、必ず全力を出しなさい、と言われた。


「はい。」


 ミシェルとハーブの戦いが始まろうとしている・・・。

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異世界に来ましたー出会いを見つけました 葉月 @1986126

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