第69話

「さて、ベルダイア先生にも報告終わったし、あとはライトに伝えるだけだから、部屋に戻っとこー。」


 校長室を出て、校舎をとことこ歩いていたミシェルは今後の動向を考えていた。


「でも。ハーブちゃんとテイル君の情報が足りないからなあ。ハーブちゃんのお部屋に出も行って話そうかな。何をしようとしてるか、上手に聞きだせればいいんだけど。」


 と、いうことで寮に行ったん戻り、ハーブの部屋へと向かった。


「ハーブちゃん、こんにちは!ミシェルですけど、今大丈夫ですか?」


 ドアの前から声をかけるとドアが開いた。


「どうしたの?ミシェルちゃんの方から訪ねてくるなんて珍しいね。ま、はいってよ!」


「お邪魔します。」


 ハーブの部屋は薄い緑で統一されていて、なんだか具合が悪くなりそうな空気だった。

(ハーブちゃんは同室の子がいないのよね。ここら辺は校長先生とベルダイア先生の配慮だわ。)


「ミシェルちゃん、どうしたの?」


 ハーブはミシェルに尋ねる。


「あ。えと、ただしゃべりに来ただけだよ。だって優等科の女の子少ないから、話が合う子がいなくって。」


「へえ。」


 ハーブはミシェルをこそりと怪しげに見つめる。口元はミシェルの話に同調し笑っているが、目元が全く笑っていない。まさに探るような目だと言っても良いだろう。

 ただ、ミシェルはしっかりその目つきを見ていた。そして確信する。


(ハーブちゃんはやっぱり何かを隠して、学校に通っている。それは確かのようだわ。)


 ミシェルは無詠唱魔法でハーブが飲んでいる水に白粉を混ぜた。


 白粉とは、目には見えない粉で、魔力の塊である。効力は素直になる、というものだ。とどのつまり、自白剤の弱いバージョンということだ。

 魔力の塊なので、魔力が強い人にはかぎ取られる可能性がある。使う人より使われる人の方が魔力が大きいとばれてしまう。もちろん例外なく。ただ、1つ難点がある。それは・・・


 ミシェルはハーブに心の内を話してもらいたく、白粉を使った。


「・・・・・・。」


 ハーブは自分の持っている水を冷えた目で、眺める。


 そしてコップを落として、水をこぼした。


「あ、ハーブちゃん、大丈夫!?」


(気づかれている・・・?さっきわざとコップを落とし、水をこぼしたように見えたわ。)



 白粉の難点、それは使う者ミシェルに少しでも穢れがあれば使用できないことだ。

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