第61話


「先生たちは何をするつもりなんですか?3人がスパイだと最初から分かっていたならば、学校に入れなければよかったんじゃないですか?」


 ライトがベルダイアと校長に向かって強く言う。


「・・・そう言われればそうなんだが、あの3人は表向き、大貴族の令嬢と子息だ。ダイスに至ってはこの国の王子だ。」


 校長が答えた。


「え。」


 初耳だ。この国に王子がいることすら知らなかった。


「入れないわけにはいかなかったってことですね。で、どうせなら監視しやすい優等科に・・・と。」


「そういうことだ、ライト。」


 ライトは時々頭が働く。

 今回はその、時々にあたったようだ。


「ハーブとテイルにはダイス以上に気をつけてほしい。」


 校長がしんみりした表情でいう。

(心配している表情ではないな、うん。)


「「どうしてですか?」」


 ライトとミシェルは同時に返事をする。


「・・・2人の入学試験の時の目標がバトルで優勝することだったからだ。」


 卒業試験は優勝すれば願いをかなえてもらえる。面接の時に2人は、そのことしか考えていなかったそうだ。

 私からすると、なんで1年生の時から優等科にしなかったのか、心残りな所があるんだけど。

 で、校長たちが直々に身元を調べたところ、2人は偽名を使用していたことが分かったらしい。


 ダイスは王子なのに魔法学校に来る、というだけでスパイかと疑われている。なんかかわいそう・・・。


「結構、でたらめですよね・・・。3人がスパイである証拠は本当に0じゃないですか!」


 ミシェルは呆れた顔をする。


「ライト、ミシェル。魔法学校で何かあったら遅い。だから頼んだ!いろいろ調べてくれ。」


 珍しく校長とベルダイアが頭を下げた。

 ライトはすぐに返事をしたが、ミシェルは返事の代わりにこんなことを言った。


「テイル君を探るなんて、ミシェル、できなーい!」


 3人はがくりと崩れた。


 そう、最近ミシェルの性格が変わってきているのだ・・・。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援した人

応援すると応援コメントも書けます

ビューワー設定

文字サイズ

背景色

フォント

一部のAndroid端末では
フォント設定が反映されません。

応援の気持ちを届けよう

カクヨムに登録すると作者に思いを届けられます。ぜひ応援してください。

アカウントをお持ちの方はログイン

フォロー機能を活用しよう

カクヨムに登録して、気になる小説の更新を逃さずチェック!

アカウントをお持ちの方はログイン

フォロー機能を活用しよう

カクヨムに登録して、お気に入り作者の活動を追いかけよう!