第55話


「進級できる生徒を発表します。」


 このベルダイアの一言に会場がざわつく。


「どういうこと?」

「勝った人が進級できるんじゃないの?」

「え、じゃあ私、負けたけど進級の可能性があるってこと?」


「皆さんの困惑は分かりますよ。ずっとモニターで見ていましたから。バトルはただの成績優秀者を決めるためのものでした。なので、進級できるかどうかは関係がないということです。文句を言うようなことがあれば、進級ができる予定だった生徒であろうとも、手加減ナシの制裁が待っていますので、あしからず。」


 ベルダイアが声を張り上げ、すべての生徒に告げる。この言葉に不安を覚える生徒もいれば、希望をもつ生徒もいた。


「校長?さっさと発表しなさいよ。」


 ベルダイアが校長を肘でつつく。

 泣き顔になって、口を校長は開いた。


「えー、口で発表するには多すぎる人数であるからー・・・。貼り紙を用意したのでそちらを見てくれたまえ。」


「校長、優等科の編成だけは言っておいた方がいいのではないでしょうか。ほとんどの生徒がいれ変わっていますし。」


 ベルダイアの助言を受け、そうしようか、と校長は応えた。


「優等科は今年は5名に減った。まず、そのままなのは、オールラウンダーであるミシェル・フランソワーズとライト・スペアの2人だ。残りの3人は普通科から上がってきた、ハーブ・エレーナ、ダイス・レアグラスの2人と、正規入学者ではなかった、テイル・サラエストだ。」


「え、じゃあ、今まで優等科だった、ニュトやケイスたちはどうなるんですか??」


 ミシェルは驚き、つい声をあげてしまった。


「普通科に合格しているかもしれないし、正規入学者の権利をはく奪されているかもしれない。今回のモニタリングを含め、学力、意欲を考慮した結果だ。仕方がないことだと思ってくれ。」


 ミシェルは力がふ、と抜けた。

 今まで一緒に頑張ってきた仲間がライトしか残っていない、という悲しさに。

(みんなで一緒に2年生になれると思っていたのに。まあ、みんな2年生にはなれるか。だけどやっぱりさみしくなるな・・・。それにハーブっていう子と、ダイス、テイルと仲良くなれるか不安だし・・・)


 2年生のスタートは思ってもいない形で始まった。

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