第47話

 休憩しても良い、と言われたので、ミシェルは魔法学校をうろつくことに決めた。


 最初に通りがかったのは校長室。校長先生に用事があるとか、そんな理由は全くないのだが偶然、優等科教室から出てくるときに通っただけだ。

 だが、ここにきて何もなしに帰るのも失礼かな、と思う日本人の性格から、扉をノックしてみた。


「どうぞ。」


 中からはなぜか、ベルダイア先生の声がした。


「失礼します・・・って、あれ?校長先生はいないんですか?」


 校長室の校長席にはベルダイアが座っており、校長の姿はなかった。


「・・・また、仕事を放り出して、出かけています。」


 少しキレ気味にベルダイアが校長の様子を告げる。

 ベルダイアの座る校長席の机の上にはこれでもか、というくらい大量の資料が積まれていた。


「・・・そ、そうなんですね。」


「ところで。校長に用があってここへ来たのではないの?」


「あ、いえ。通りがかったので来てみただけです。」


「そうなの。授業の進み具合はどう?ラルトスはしっかり授業をしているのかしら。変なこととか教えられてないわよね?」


「はい、大丈夫です。今もプリントを解いてきて、時間が余ったので休憩をくださいました。」


「へーー。ラルトスが休憩を。珍しいわねー。いつまで、休憩時間?校長探し一緒にしてほしんだけど。上手にいつも隠れてるのよねー。隠れる場所は同じなのに。今日こそこっぴどくお仕置きしてやらないと。」


 やる気満々、いや、殺る気満々のベルダイアにミシェルは苦笑いし、こう答えた。


「今、10時ですから、あと2時間はお付き合いできます。」


「ありがたいわ。隠れているのは祭壇か、普通科のトイレの中だと思うわ。ただ、そこは分かっててもそこからなかなか見つけれないのよねー・・・。」


「トイレ?トイレに隠れて何をしてるんですか?」


「泣いているのよ。」


 くくっ、と笑うベルダイア。この先生は鬼なのではないか、と思った。


「さあ、行きましょう。まずは祭壇から。」


 ベルダイアが歩き始めたので、ミシェルはおいて行かれないように急いでついて行った。

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