第13話

 翌日。

 ほかの正規入学者たちはまともに魔法学校に通い始めることになる。

 ちらほらと学生たちの姿が見えてくる。


 (・・・にもかかわらず、まだ第4の試験の結果を聞いてないんですけど。どういうことなんでしょうかねー、えー。ふてくされてなんかいませんよ。別にィ。)


 明らかに、ふてくされてしまっているミシェル・フランソワーズ。

 するとそこに2つの影が現れた。


「ミシェルさーん、昨日はごめんねー。でもばっちりお姉さん回復したわよーー」


 ベルダイア先生と校長先生のようだ。

「自分でお姉さんって、どう見てもおばさんの年なのに。」

 ベルダイア先生にはきっと聞こえていないであろう小声でつぶやいた。すると、聞こえていたのか、すっごい形相で睨まれてしまった。

「あら、何か言ったかしら?」

「い、いえ何もっ!」

「ならいいわ。おばさん、と聞こえたような気がしたのよ・・・。まだ私はぴちぴちの30歳なのにっ。」

(ぴちぴち・・・。30歳ってやっぱりギリおばさん・・・?)

 ミシェルは、そんな失礼なことをずーっと考えていた。校長先生は一生懸命笑いをこらえていた。



「さて、気を取り直して。第4試験、実用魔法は合格よ。思ってたよりもすごかったわね。でも、詠唱魔法ばかり使っていて、攻撃がバレバレだから、詠唱破棄魔法を覚えていくといいかな。」


 ベルダイア先生は第4試験の合格報告とともに、戦うときのアドバイスもしてくれた。

 思ったより、話しやすくて、いい先生だな・・・と思った。


「ところで、ベルダイア先生、詠唱破棄魔法って何ですか。」


 ミシェルのスっ飛んでいる質問にズシャッ、と崩れるベルダイア先生と校長先生。

「・・・ごほん。知らないの?あれだけの詠唱魔法が使えるのに。それにお母様もお父様も魔法使えるのにね。教えてもらってないの?」

「はい。魔法はほとんど独学です。基本魔法のみは教えてもらいましたけど。詠唱破棄魔法なんて初めて聞きました。」


 この言葉にベルダイア先生は目をまん丸にさせ、

「詠唱破棄魔法って言っても、ただ詠唱しなくても魔法が出せるだけで、威力はほとんど変わらないんだけどね。攻撃を相手に知られないために、有効よ。」

「そうなんですね。」

「正規入学できたら、ラルトス先生に教えてもらえると思うわ。」

「はいっ、使えるようになって、ベルダイア先生を1度ぎゃふんと言わせたいです!!」


 心の内をありのままはなすと、

「え?言わせるもんなら言わせてみなさい・・・」

 と頭に怒りマークがついたような顔になったベルダイア先生から返事が返ってきた。

 やはりこの時も校長先生は髭を揺らしながら笑うのを必死でこらえていた。



「次は第5試験。最後の課題です。5分後に始めます。」

 ベルダイア先生はそう言い、ティーセットを出し始めた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援した人

応援すると応援コメントも書けます

ビューワー設定

文字サイズ

背景色

フォント

一部のAndroid端末では
フォント設定が反映されません。

応援の気持ちを届けよう

カクヨムに登録すると作者に思いを届けられます。ぜひ応援してください。

アカウントをお持ちの方はログイン

フォロー機能を活用しよう

カクヨムに登録して、気になる小説の更新を逃さずチェック!

アカウントをお持ちの方はログイン

フォロー機能を活用しよう

カクヨムに登録して、お気に入り作者の活動を追いかけよう!