第11話

 4つ目の課題、実用魔法。


(ついに、まともに魔法をぶつけ合う試験がやってきたあああ!!一番楽しみにしてたんだよね-。ベルダイア先生が戦闘服に着替えている。・・・ということは。ベルダイア先生と実用魔法の戦いをするのかあ。おんなじオールラウンダーだからさぞお強いことでしょうが、私には強ーい見方、異世界転生ではお決まりのストーリーというものがついてるんだから、どんな試験だって、きっと大丈夫!!)


「早く準備をしなさい。ミシェル・フランソワーズ。」

 待ちくたびれたベルダイア先生が声をかける。

「す、すいません!・・・はい、準備万端です!」

 といっても、準備されていた戦闘用リングのスタート位置に立っただけなのだが。


「よろしい、では今回の試験をもう1度確認するわ。今からの試験は第四試験、実用魔法。実際に私と戦いながら技能を発揮してもらいます。勝ち負けは関係ありません。重視してみるのは魔法の打ち所の正確さと、戦略技術。相手がどれだけやりにくくなるか。というところよ。今回はバトルではなく試験ですから、戦うとは言っても私は攻撃をすることはありません。試験時間は5分。その時間で、私と校長先生にしっかりアピールして頂戴。」


 長々―と説明をしてくれるベルダイア先生。校長は聞き飽きているのだろうか。先程と同じようにティーセットを準備し、紅茶をホクホクと飲んでいる。片手にはクッキー。なんと勝手な校長先生だ。


「では、よーいうドン!!」

 という気の抜ける校長のスタートの合図があったとともにベルダイア先生の闘志がむき出しになる。

「校長!!ふざけないでくださいっ!!さっさとティーセットは片づけて、真面目に試験を見てなさい!!」

 開始1秒後。ベルダイア先生は速やかにリングを離れ、校長をしかりつけに行った。

「すまん、すまん。では、気を取り直して。良ーいドン!」

 今度は真面目に試験が始まった。


 ベルダイア先生と1対1で見つめあうこの緊張感。

 たまらないっ。

 夢にまで見た魔法バトルのような試験!!どうすれば、ベルダイア先生をしとめることができるかしら??


 よし、まずはこれっ。得意な水魔法でベルダイア先生を濡らして、服を重たくし、動きにくくしよう。


「ウォーター、水の塊を宙に浮かべ、水の槍を目標へと突き出せ!!」


 その一声で水の塊は槍のように変化し、ベルダイア先生の方へと向かった。

 ベルダイア先生はひらりとそれをかわ・・・せなかった。

 よけるための飛翔呪文を唱えるのが遅れ、下半身は魔法の水でびちょびちょだ。


「いやああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」


 すごい叫び声が魔法学校中に響き渡った。屋敷に帰ろうとしていた正規入学落第者がなんだなんだとわらわら寄ってくる。


「・・・!着替えてきますっ!!それまで試験は1次中断ッ。残り4分の試験はあと30分後に始めますっ!」


 と顔を真っ赤にしたベルダイア先生は、着替えるために学校に入って行った。


「・・・」


 置いてけぼりをくらったミシェルと校長先生は言葉も出ず、あっけに取られていた。




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