譲れない一線を超えた時

作者 青柳 ゆうすけ

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Good!

今時分は冬の季節ですが、そんな寒々しい時に読んでも、頭のなかに雄大で美しい海の風景が飛び込んできます。それだけ、この作品には「情景」を浮かび上がらせる力がある。一匹の鯱と人間の女性とが恋愛するとは、現実的でありながらファンタジー。しかし、どこか少し寂しさも感じてしまう。なぜだろうか、と思うが、よく分からない。がしかし、心が締め付けられる感覚を抱いたのは事実である。
ただその一方で、短編として読むと、終わり方が少し唐突すぎる印象。できれば中編か長編で読みたかった。

★★★ Excellent!!!

 読んでいて心地よかったです。そして後味はさわやかです。
 これは作者の力量や、スタイルによるものだと思います。
 海の世界を書いているのに、読んでいてすごく浮遊感があって、テンポもいい。どんどん作品に引っ張られていきます。ラブコメと言うより純粋な恋愛(異類恋愛譚)です。
 小生も異類婚譚的な物語が好きです。
 特に鯱と人間はアイヌの口頭伝承の中にたびたび恋愛対象として登場するので、とても馴染み深かったです。
 そんなことより、「海に行きたい!」と思わせる一作です。