物書きに絵を提供する半端絵師の話。

作者 手嶋柊。

「よその子」を描いたことのあるすべての人へ……

  • ★★ Very Good!!

 涙で前が見えません。

 いわゆる「よその子」が思ったように描けない、この子の魅力はこんなものじゃない、そもそも自分の画力自体に問題が……そんな苦悩、後悔、葛藤、その他もろもろの澱んだ感情――よその子を描いたことのある人であれば一度は抱くであろうモノを、胸をえぐる描写で本作は突きつけてきます。あるあるすぎてもう絶望しかありません。

 カタルシスも何もなく、まだ続きもありそうな形のところであえてぶつ切りで終わっている演出が「これ以上先へは行けない」という挫折感を生み出しています。本当に絶望しかありません。

 しかしそれでも我々はよその子を描かずにはいられない。あえて挫折したままぶつ切りで終わっているのも、そこから立ち上がり前に進むのはお前たちの役目だと読み手に訴えかけているのではないでしょうか。

 一度でも「よその子」を描いたことのある人には是非読んでいただきたい作品です。

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