5
たっぷりとティータイムを
そのまま私と千早様を目と鼻の先にある自分の課の建物の中ではなく、別の課、裁判から刑の執行までを
丁度仕事に一区切りついたという副官の人に案内され、最終的に着いたのは大量の蔵書が
ズラリと並んでいるその量たるや、世界一大きいと言われる図書館でも
……ほんと、すっごい量だなぁ。なんて書いてあるのか分からないものばっかりだけど。
その背表紙に目を通していくレオン様は、まさかとは思うけど、何がどこにあるのか
そんなレオン様に千早様は全く反応を見せないから、これは別にこの人にとっては
この、人間界にも聖職者として
「あ、あったあった」
目当てのものを見つけたらしいレオン様が、本を二
そのままレオン様は入り口とはまた別の
追いて行かれないようにと頑張って走ると、とても広い部屋に
部屋の奥にはとても大きな机が置かれている。その机の両
「……レオンか。少し前にコリンから連絡があって、例の吸血鬼達の一件の
細フレームの眼鏡をかけた
「うーん。するけど、それは他に任せるよ。それよりも、セレイル。これ、借りていくよ」
「……あぁ。今日中に返してくれれば構わない」
セレイルと名を呼ばれた男の人は一瞬顔を上げ、レオン様が顔の横に
その間、動かしている手は止まらず、見ている間だけでも書類の束を確実に片づけていっている。
……この書類、今日中に見終わるつもりなら絶対大変だよね。
かなり忙しい時に来ちゃったんじゃないのかなぁ。
「もちろん今日中に返しに来させるよ。じゃ、行くよ」
「は、はいっ」
くるりと
私がいるってこと、気づかれているかどうか分からないけれど、一応お
「しつれーしました!」
入れ違いに入ってきたさっき道案内をしてくれた副官さんが、バイバイと手を振ってくる。
それに笑顔で振り返し、先に行ってしまったレオン様と千早様の後をダッシュで追いかけた。
ほんの少し遅れて出ただけなのに、気づくと
「レオンさま、こんどはどこに?」
「次は君もよく知ってる者のところだよ」
「え?」
私もよく知っている者? 誰だろう?
その言い方だと、少し前まで一緒にいた潮様や奏様は違うよね。
うーん。
……うん。分かんない。考えるのやめた!
どうせ後から分かるんだし。
「まぁ、黙って歩いてついて来てくれれば、いずれ分かるよ」
「はぁい」
そのままレオン様は第四課の建物を出て、右へ曲がり、スタスタと足早に歩を進めた。
確か、ここに来た初日に千早様が教えてくれたけど、この先は第三課。第三課のカミーユ様達が普段仕事や日常生活をしている建物がある。
初対面の時からずっと恐さが
それでもやっぱり、人間っていうものは自分が嫌なことはなんとか後に後に回したいと思ってしまうもので。
「逃げちゃダメだよ」
「……あい」
しっかりばっちりバレていた。
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