青木兼元

作者 風羅真

16

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★★★ Excellent!!!

――

武士として功を立て、名を成したいと志す青木一重。
彼が偶然に見出したのは、一振りの美濃刀である。

美濃刀は美術品ではなく、実用に特化した朴訥な刀と言われるが、
一重が手にしたそれは、機能美の中にも気品が漂う名刀だった。

戦国時代を生き抜き、「そこそこ」の大名となった一武士の
若かりし日の幸運と武勲が、名刀との出会いを通じて描かれる。

潔さと剛毅さのある文章が心地よい。
もっと長いサイズで読んでみたいとも思うけれど、
普段は歴史小説に触れない読者にもおすすめしたい。
北欧神話じゃなくても、カッコいい武器はあるのだ。

★★ Very Good!!

――

姉川の古戦場跡を訪れると、拍子抜けするほどに細い川が流れている。
農道と間違えそうな道に、申し訳程度の欄干がついた橋。
車に乗って見おろせば川は一メートル程度の幅にしか見えない。
ここが生死の分け目となるような場所であったことは、案内の看板がなければ、全くにわからない。

して、浅井長政の居城は徹底的に消え去って、麓にかつらの工場のようなものだけが目立つばかり。

国道を走ると、鎧武者が槍を立て仁王立ちした看板が迎えてくれた。
『ようこそ浅井群へ』
市町村合併により長浜市へと名を変えた浅井郡。
羽柴秀吉初めての所領地に吸収された。
賤ヶ岳を越えJR永原駅近辺に西浅井町として、その名を残すのみ。