世界一短い手紙
仏を代表する作家のひとりであるビクトル・ユゴー(1802-1885)は『レ・ミゼラブル(邦題:ああ無情)』を発表した直後に海外旅行へと赴いた。旅先で本の売れ行きが気になったユゴーは出版社に宛てて「本の売り上げはどうか?」という意味を込めて「?」とだけ書かれた手紙を送りつけた。編集者はその意図を斟酌し、「非常に良いですよ!」という意味を込めて「!」とだけ送り返した。この応酬は世界でもっとも短い手紙のやりとりとして有名な逸話となってる。
◇
……かん字が多くてわたしにはむづかしかったけど、それでもその文しょうのいみはちょっとだけわかった。そしてわたしも同じようにやってみようと思った。
わたしはクレヨンをもって、画用紙のまん中に大きく「!」と書く。
お母さんにたのんでふうとうに入れてもらって、切手をはってもらって、じゅうしょってゆうのを書いてもらって、おじいちゃんにおくってもらう。
数日後、おじいちゃんからおへんじがとどいた。
そこにはちゃんと「?」とあった。
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